会議録 第177回国会 厚生労働委員会 第13号平成23年5月20日

2011年06月03日 19:39

会議録 第177回国会 厚生労働委員会 第13号平成23年5月20日

○牧委員長 次に、山崎摩耶さん。

○山崎(摩)委員 民主党の山崎摩耶でございます。おはようございます。まず、きょうは質問の時間を与えてくださいまして、ありがとうございます。

三月十一日の東日本大震災、被災された方にお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。私も岩手で大学で教鞭をとっていたことがございまして、教え子が陸前高田の保健師として赴任しておりましたが、被災して流されてしまったというようなこともあり、本当に人ごとではないということで、現地にもつぶさに行ってまいったようなことでございます。

被災地に行ってみて本当によくわかりましたことは、医師、看護師初め医療従事者の皆様が、私も医療従事者の一人でございますが、本当に我が身を顧みず救命救急に当たられたその使命感の強さといいますか、改めてそのことに敬意を表したいな、そんな気持ちでいっぱいでございました。
また、介護事業所ではヘルパーさんたちが、だれの命令もない中で、やはり利用者のお宅を回られて安否を確認されていた。介護従事者の皆さんも本当に御尽力されたことに敬意を表したいというふうに思います。

介護保険法改正の質問に入ります前に、この震災関係で三点ばかり大臣にちょっとお尋ねをしたいと思いますが、きょう、私は二十分しかちょうだいしてございませんので、あわせて御回答いただきたいということで、まとめて申し上げたいと思います。

一点目は、地域医療の確保ということで、被災県から医師や看護師、特に看護師等の医療従事者が県外に流出をする、これをきちっと防いで、地元で人材を確保する。そのためのいろいろな財政的な支援などがやはり早急に必要ではないか。多くの病院、ステーションが流されたり被災をして、職を失っていたり、非常勤の人が既に解雇をされていたりといったこともございますので、この点についていかがかということが一点目。

それから二点目は、訪問看護ステーション等、在宅の事業所の復旧再建について、これもやはりいろいろな支援が中長期的に必要になるのではないか、このこともぜひよろしくお願いしたいということで、大臣に御所見を伺いたいと思います。

きょうはお手元に、皆様に一枚資料をお渡ししてございますが、これは、岩手県の大槌町、先般四月の二十二日から五月の八日まで、全国から保健師が百四十一名、延べ五百六十名、ローラー作戦で大槌町の地域の調査に入られました。鈴木先生とか村嶋先生とか、いずれも私の友人なんでございますが、保健師魂に火がついたと言っておられましたけれども、大槌町は、御存じのように町長さんがいなくなられて、本当に行政機能が崩壊しておりました。住民が安否確認して何人いらっしゃるのかということも、行政では把握していなかったわけです。
それで、保健師たちが全国から集まりましてローラー作戦をしまして、町の人口一万六千五十八人のうち一万七百五十八名、六七%の所在、亡くなられたり、避難所にいられたり、御自宅にいられたり、県外に出られたというようなことが判明をしたということで、地域の三千七百二十六軒をお回りになったそうです。

それだけではなく、さすが保健師と思いましたのは、婦人会ですとか青年団ですとか消防団にフォーカスグループインタビューをしまして、お手元に差し上げてございますような、単に仮設住宅を並べてつくるだけではなく、もっとそこに、丸でくくってありますが、質の高い仮設のエリアということでみんなで目指す、そのためには、医療の医、職業、住まい、子供からお年寄りまでみんなの生活を考えた質の高い仮設住宅地をつくるというようなことを大槌の町の皆さんが望んでいらっしゃいますよという、その住民へのフォーカスグループインタビューからおまとめになったものでございます。

仮設住宅は国交省がお建てになっていらっしゃいますが、こういったところは大変土地が少ないということで、厚労省が今回補正で組まれたサポートセンター、これもなかなか、町がこういう御希望があってもスムーズに進捗していないというお話も耳にいたします。こんなこともぜひ厚労省に頑張っていただきたいと思っております。
この三点につきまして、大臣から御所見をまず伺いたいというふうに思います。

○細川国務大臣 委員からは、大槌町の実態をいろいろ細かく報告をいただきまして、問題点について指摘をいただきました。

まず、医療従事者をしっかり確保していかなければいけない、この点につきましては、昨年の補正予算で設置をいたしました地域医療再生基金について、被災三県につきましては上限の百二十億円を確保いたしまして、そのうち十五億円については、医療従事者などの確保のために使えるようにということで、前倒しで既に交付できる、こういうことにいたしております。

それから、被災地におきます特養などの整備につきましては、これは、被災地の施設の本格的な復旧までの間に、臨時に、特養につきましては被災地から余り遠くない、近くの会議室とかあるいは宿泊施設を借り上げて、そこでサービスを提供するとか、あるいはまた、グループホームなどにつきましては、賃貸住宅の借り上げや福祉仮設住宅の設置などを促進いたしておるところでございます。

さらには、訪問看護ステーション、これなどにつきましては、先ほどもお話がありましたように、訪問看護の機能も有するサポート拠点を設置いたしまして、いろいろな要支援者の皆さん方に対する支援をする、こういうこと。そしてまた、被災した訪問看護ステーションの復旧支援としては、整備費に対する国庫補助率のかさ上げ、あるいは事業所再開に対する費用の補助というような、そういう財政的な措置もいたしまして、被災者の皆さん方にその地域でのしっかりした支援ができるような、そういう予算措置もいたしているところでございます。

○山崎(摩)委員 大臣、ありがとうございます。
鋭意お進めいただければ本当に地元の市町村が助かるかなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

もう一点は、被災地では、医療機関が流されてしまったということで、患者さんが病院に通えなくなってしまった。在宅で療養していらっしゃる方が、訪問看護ステーションから訪問看護師が行くわけですが、そのときに、ふだんお使いになっている医薬品ですとかガーゼですとか、そういったものをお持ちできる仕組みに今なっていないということで、患者さんがそういったものの入手が非常に困難になっているというお声がまた上がってまいりました。

これは先般、自民党のあべ俊子委員が御質問なすった後、五月十三日に、ストックはできますよ、保管はしてよろしいよというような通知が出ているようでございますが、実は、現場が求めているのは、保管は今までもしているわけでございますので、患者さんに提供ができる仕組みをやはりつくっていただかないと在宅の方がお困りになるかなということでございますが、これについてはいかがでございましょうか。

○岡本大臣政務官 今御指摘ありましたように、訪問看護ステーションにおいて、これまでもガーゼ等の衛生材料についてはあらかじめ保管ができるというふうになっておりましたが、本委員会での御指摘も受け、五月十三日に関連通知を発出しまして、グリセリン浣腸液、生理的食塩水、注射用水など、医師の指示に基づいて行われる臨時応急の処置や褥瘡の予防、処置に必要な医薬品についても、卸販売業者から直接購入ができることとしたところでございます。

また、これらの在宅医療に必要な衛生材料等については、診療報酬上は保険医療機関が提供することとなっており、これらの費用を別途患者に求めることのないように、改めて在宅医療の現場に周知を行ったところでもあります。
そういった意味で、現場のニーズを踏まえつつ、また取り組んでいきたいと思っております。

○山崎(摩)委員 二十四年の同時改定も目の前に来ておりますので、ぜひ、患者さんに提供できるというような仕組みを、もちろんこれは医師の指示のもとでございますので、御検討を進めていただければというふうに思います。これは要望しておきたいと思います。

続いて、介護保険法の改正に入ってまいりたいと思いますが、今回、被災地を歩いてよくわかりましたのは、やっぱり介護保険をつくっておいてよかったなという、介護保険の価値ではないかなというふうに思います。私も、九四年からこの制度創設に政府の審議会の委員というような形でかかわらせていただきましたけれども、十年たって、いろいろ課題はありますが、しかし、介護保険をつくっておいてよかったなというのが率直な気持ちでございます。

その意味では、今回の改正も、地域包括ケアシステムということで、少なからず課題もあるわけですが、やはり一歩前進をさせていっていただきたいということで、今回の法改正には賛成の立場で、もちろん与党でございますので、推し進める立場から質問したいというふうに思います。

一点目は、二十四時間対応の定期巡回型の看護、介護といった新たなサービスですが、これはもう、諸外国の在宅ケア先進国を見ていると当たり前の仕組みでございますので、ようやくこれでグローバルスタンダードの入り口に日本も肩を並べたかなと思っておりますが、しかし、今回の制度改正は、まだまだ課題がないわけではないというふうに思います。

その一つが、訪問看護ステーションの伸び悩みでございます。介護事業所は随分ふえてきましたが、ステーション自身が伸び悩んでおりますので、二十四時間随時対応していくためには、やっぱりステーションの数をもう少しふやさなきゃいけない。このあたりについての御見解はいかがでございましょうか。

○岡本大臣政務官 訪問看護ステーションの充実という観点でいいますと、厚生労働省においては、今回の改正を通じて、地域包括ケアシステムの構築を目指して、訪問看護はその中核的な役割を担うサービスとして位置づけていくわけであります。

そのためには、これまで行ってきたさまざまな事業があるわけでありますけれども、例えば訪問看護支援事業によって訪問看護ステーションの充実を図ってくるなどしてきたんですが、今後は、定期巡回・随時訪問介護看護サービスの創設、そして訪問看護と小規模多機能などさまざまなサービスを組み合わせて提供する複合型サービスの創設を実施していくというようなことを通じて、訪問看護ステーションの充実、数だけではなくて、そのサービスの充実ということも図っていきたいというふうに考えております。

○山崎(摩)委員 ありがとうございます。
しかし、これはやはり、都道府県の医療計画ですとか市町村の介護保険事業計画の中で必要数をはじき出してきっちり整備をしていきませんと、政策の後押しだけでもなかなか進まないかな。このあたりはちょっと要望しておきたいというふうに思います。
この二十四時間のサービスはモデル事業をおやりになっていらっしゃいましたが、そのスキームについて、サービスの対象ですとか、エリアですとか、報酬体系などはどうなっているか。この辺についてはいかがでございますか。

○宮島政府参考人 この二十四時間のあり方検討会でモデルが行われました。
まず、対象ですが、これについては、主として要介護三以上なんだろうということですが、さまざまな要介護者に対応できるよう、要介護者全般を対象とすべきであるということです。それから、サービス提供圏域については、移動時間というものがあるので、三十分程度の範囲で行けるところというような観点が出ております。それから、報酬については、サービスの必要量やタイミングが変化するので、包括払い報酬などを基本とすべきではないかということで、今後、給付費分科会などでの審議をお願いして、来年、二十四年四月の施行に向けて適切な設定を行っていきたいと思っております。

○山崎(摩)委員 ありがとうございます。
これは、市町村が事業者を公募するという指定制を導入するというふうに伺っておりますが、公募で事業者を指定する。非常に、旧措置の時代の受託事業のようにならないかとか、独占的にならないかとか、いろいろまだまだ不安材料もないわけではありませんので、この辺、一たん指定をしても、質の評価ですとか、いろいろその辺の仕組みも今後きちんと詰めていっていただきたいというふうに思っております。

時間がなくなってまいりましたので、次の質問に移りますが、先ほども出ました、介護福祉士その他研修を受けた介護職員へのたんの吸引の医療行為の解禁についてです。
本来これは、言うまでもなく看護職が行うべき業務でありまして、高齢者ケア現場のニーズにこたえた次善の策ということで考えますけれども、まずは高齢者施設ですとか在宅の看護師不足の解消が必要というふうに考えますが、大臣の御所見はいかがでしょうか。

○細川国務大臣 確かに、言われるように、介護の現場では、看護師の皆さん方のお仕事は大変重要でありまして、これはしっかりと確保しなければいけないというふうに思っております。
確かに大きな課題でありまして、まず第一には、看護師さんの養成をしっかりやっていく、これが大事かというふうに思います。これについては、看護師さんの養成所に対する運営費の補助などをいたしております。

もう一つは、看護師さんになられても途中でやめられる方が多いということでございます。続いて仕事をしていただくという、定着の促進も非常に大事だというふうに思います。そういう意味では、院内に保育所をつくるとか、そういうようなことで定着に結びつけていきたい、こういうふうに思っております。

それから三つ目は、やめられた方、せっかく仕事を持って、そしてまた意欲のある方もおられると思うんですね。そういう方が再就職をしていただく、こういうことが大事だろうというふうに思っておりまして、再就職の支援ということ、これはナースバンクにおきます求人・求職情報の提供など、そういうことで再就職支援ということに取り組んでもいるところでございます。

いずれにしても、介護現場での看護師さんの必要性といいますか大切さということは十分理解をいたしておりまして、そういう意味での、看護師さんが実際に介護現場で働けるような体制をしっかりつくっていくということが大事だというふうに思っております。

○山崎(摩)委員 ありがとうございます。
そういう周辺の環境整備ももちろんでございますが、高齢者ケアの施設ですとか在宅は、高機能病院に比べるとやはり賃金も低いというようなこともありますので、そのあたりもぜひよろしく今後ともお取り組みいただきたいと思います。

本当に時間がなくなってまいりましたので、あと一問だけ、大臣にお尋ねしたいと思います。
既存の介護療養型医療施設について六年間存続を認めるということに今回なるわけでございますが、これにつきましてはなかなか転換が進まないということで、八・六万人の入所の高齢者の方及び七万人の従事者の方がここでいらっしゃるわけです。この六年間の間に認知症を含む障害と医療のケアの必要な高齢者がますますふえていくということを考えますと、高齢者の医療体制をどうするか、本質的な議論をして、これら増大するニーズにきちんとこたえていく療養体制の整備というものをやはりしていかなきゃいけないというふうに思うんですね。

ぜひこの点について、今後についてもしっかりと対応していただきたいというふうに思いますので、大臣の御所見を一言だけお願いしたいと思います。

○細川国務大臣 時間もないようでございますから、簡単にお話ししたいと思いますが、介護療養病床、なかなか転換が進んでいないということで、今回の法案では六年間転換の延長をさせていただくことになっております。
その間、医療ニーズが高い患者さんに対する対応として、平成二十年に介護療養型老人保健施設を創設したところであります。そこに、まだ利用者が思うように利用していただけていないところもありますが、こうした施設の介護報酬上の評価の充実、あるいはまた、有床診療所と併設した介護老人保健施設への転換の推進というようなことで充実をさせていきたいというふうに思っております。

今、社会保障改革に関する集中検討会議の中で医療介護施設の機能分化の推進について、あるいはまた、この法案の中では地域包括ケアの推進について検討をいただいているところでありまして、今後とも、高齢者が安心して医療や介護を受けられる、そういう社会の構築に向けて頑張っていきたいというふうに思っております。

○山崎(摩)委員 ありがとうございました。
時間が参りましたので、これで質問を終わりたいと思います。

ログイン