会議録 第176回国会 厚生労働委員会 第4号平成22年11月12日

2010年11月12日 12:35

牧委員長 次に、山崎摩耶さん。

山崎(摩)委員 おはようございます。

 きょうは、質問の機会を与えていただきましたが、機構法案に入ります前に、地域の医療を守る雇用と労働という意味で、看護師の労働環境の問題について幾つかお尋ねをしたいというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 医療崩壊の大きな要因の一つに、やはり看護師の労働環境の悪化の問題ですとか看護師不足の問題があろうかというふうに思いますが、皆様の御記憶にまだ新 しいのは、二十代の看護師が二人、過労死で労災認定をされたということ、御記憶にあると思います。これをきっかけに各団体がいろいろな調査をしております が、二十年前の大変劣悪な労働環境の時代にタイムスリップしたようだという声が聞こえるような、そんな調査データも出ております。

 お手元に資料を差し上げてございますが、資料の一をごらんください。看護師の夜勤については、昭和四十年に人事院のいわゆる二八判定というものが出てお りまして、二人夜勤で月八日以内の実現と勧告されておりますけれども、いまだに、このデータにありますように、三交代勤務をしている者の二人に一人が月に 九回以上、四人に一人が月十回以上と大変な夜勤回数になっている、こういうのが実態でございます。

 まず、このような医療現場の看護の労働の実態について細川大臣はどのようにお考えか、ちょっと御所見を伺いたいというふうに思います。

細川国務大臣 実は、私の自宅の隣に看護師さんがおられまして、今病気になっちゃったんですけれども、 看護師さんの仕事というのは、議員が言われましたように大変厳しい労働だというふうに思っております。私は、そういう看護師さんの労働条件の向上というの は喫緊の大きな課題だとも思っております。

 政府としては、成長戦略の中で、医療などについての分野は成長産業だというふうに位置づけまして、看護師さんの条件をよくする、そういうことはもちろん ですが、そのことによって医療のサービスを充実させていく、それによって医療の関連で働く人がふえ、そしてそこの関連の産業が成長をしていく、こういうこ とを政府としても考えているところでございます。

山崎(摩)委員 ありがとうございます。大変、細川大臣は労働問題のエキスパートでいらっしゃいますので、御理解をいただいていることでうれしく思います。

 資料の二にも、ちょっとお手元に差し上げてございますが、これは一般的な三交代で多く見られるシフトということですが、この図によりますと、インターバ ルが七・五時間と実はあるわけですが、実際問題、残業をして、おうちへ帰って、また出てくる。そうすると、日勤をして深夜に入るまで三時間か四時間のイン ターバルしかない。しかも、九時に深夜勤務が終わりましても、また残業をして、勤務が引けておうちに帰るのは十一時。まるで一昼夜働くような、そんな状況 が出てきている。

 大臣にお尋ねしたいのは、特に夜勤、交代勤務という特殊性でございますが、そこからくるいろいろな心身の過重な負担ですとか労働時間、これについては夜勤の規制、労働時間の規制が必要だというふうに考えますが、大臣の御所見はいかがでございましょうか。

細川国務大臣 先ほども申し上げましたように、看護師さんの労働条件というのは、今大変厳しい状況にあるというふうに思っております。

 したがって、政府といたしましては、労働関係の法律をまずはしっかりと守らせる、こういうことであります。例えば、三六協定はしっかり締結をしてそれを 守らせるとか、あるいは割り増し賃金の支払いとか、あるいは六カ月ごとにきちっと健康診断をしなきゃいかぬとか、そういうことをまずは法令にのっとって しっかりやらせるのが厚生労働省の仕事だというふうに思っております。

 そしてまた、先ほど言われたように、夜勤があって、それでまた日勤へ続いてその仕事をされるとか、本当に大変だというふうに思いますので、そのことにつ いては、私どもとしては、それをどういうふうにして改善していくかということは厚生労働省の方でも検討をしていきたいというふうに思っておりますが、その 際、関係者の皆さん方のいろいろな御意見もお聞きをいたしまして進めていきたいというふうに思っております。

山崎(摩)委員 ありがとうございます。

 しかし、現行のいわゆる週四十時間の一般労働者を対象としております労働基準法ではなかなかカバーできない、こういった夜勤ですとか交代制勤務の特徴というのがございますよね。そのことについて、資料二の参考欄というのをちょっとごらんいただきたいと思います。

 そこにメモをしてございますのは、一九七七年にILOの看護職員勧告、ここでは、交代制勤務の間に少なくとも十二時間の継続する休憩時間を勧告していま すし、また、夜業条約では十一時間というふうにしています。それから、EUも、これは九三年十一月の労働時間指令、二〇〇三年の改正ですが、二十四時間に つき最低連続十一時間の休憩時間を付与、また、夜勤労働は二十四時間につき八時間以内というふうに、EU各国に労働時間の規制をしております。

 また、我が国でも、実は平成元年の労働省告示第七号で、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準、改善基準告示を制定しておりまして、トラックです とか、バスですとか、タクシーですとかといった、これも長時間の夜勤を伴う方たちの業務の特殊性を含めまして、やはり、労働の拘束時間の限度と休憩時間の 確保の規制が既に我が国でもされております。

 本当に、医師や看護師の場合も、週四十時間を基本にした、先ほど申し上げたような一般労働者対象の労基法ではなかなかカバーできない職種でございますの で、疲労ですとか心身の過重負担ですとか、こういったものに対する労働科学的なエビデンス、根拠のあるデータももう既に出てきておりますから、パイロット なんかもそうですけれども、科学的根拠のある労働規制のルールづくり、もう二十一世紀になって十年もたっているわけでございますので、今までの労働法制か ら一歩踏み出して、やはり科学的根拠のあるルールづくりが大変重要になってきているのではないか。

 その意味では、国際水準並みの看護職員のいろいろな労働規制、今後ぜひ検討していただきたいというふうに思いますが、その辺の御決意と申しますか、大臣にもう一言お願いいたします。

細川国務大臣 今委員が言われましたように、大変労働状況が厳しい、これを踏まえまして、海外の例と か、あるいは看護師の皆さん方の御意見とか、いろいろな御意見をお聞きしながら、厚生労働省としても、看護師さんの仕事についてどういうふうな規制をして いくか、これは改善に向けて検討をさせていただきます。

山崎(摩)委員 検討していただけるということで、前向きな御答弁かと受けとめさせていただきたく思います。ありがとうございました。

 資料の三には重大医療事故の事例をお示ししてございますが、ごらんいただいてわかりますように、いずれもこれは夜勤ですとか長時間の勤務終了間際に起きているということでございますので、どうぞこれもお知りおきいただければというふうに思います。

 資料の四は離職率を示しておりますが、岡本政務官にちょっとお尋ねをいたします。

 労働環境の整備とともに、人員を確保し、労働条件をきっちりしていくためには、やはり診療報酬上の何らかの手当てといったものも今後は大変重要になってくるかと思いますが、そのことにつきまして、岡本政務官に一言お尋ねをしたいと思います。

岡本大臣政務官 今御質問いただきました看護職の皆さんの大変厳しい労働環境については、私も間近に見ておりまして、本当に御苦労をされているというふうに感じております。

 診療報酬の改定に当たっては、医療経済実態調査によって把握した医療機関の経営状態も踏まえつつ、中医協で御議論をいただいて決定をしております。

 一般病棟の看護職員の配置に関する評価につきましては、平成十八年度改定で七対一看護を一番手厚い看護配置として現在に至っているところでありまして、 また、看護職員の勤務改善については、平成二十二年度診療報酬改定において、看護職員を看護業務に専念できるようにするという観点から、七対一及び十対一 の看護配置をしている病棟について看護補助者の配置を評価したところでございます。

 さらなる取り組みにつきまして今御質問いただいたわけでありますが、平成二十二年度改定に係る中医協の答申の附帯意見において、看護職員の厳しい勤務実 態等を十分把握した上で検討を行うこととされておりまして、これを踏まえて、今後、適切な看護職員の配置や夜勤時間に関する要件のあり方について中医協で 検討する予定でございます。

山崎(摩)委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 それでは、本日議題でございます雇用・能力開発機構の廃止法案についてお尋ねをしたいというふうに思います。

 機構は廃止をして、職業能力開発業務は高齢・障害者雇用支援機構に移管ということですが、地元などでやはり課題になっておりますのが地域職業訓練センターの存続問題でございます。このことについて二点ばかりお尋ねをしたいというふうに思います。

 まず、これはきちんと、就職難の昨今、存続を求める声というのが強くございます。一つ目は、地域職業訓練センターの地方自治体への譲渡条件については、八十二施設のうち八十施設が無償譲渡ということですが、このことについて確認をしたいというふうに思います。

小林大臣政務官 お答えいたします。

 大事なことは、これまでも施設運営を地方自治体にゆだねてきていることから、可能な限り地域において活用いただけるように、地方自治体が希望する場合は譲渡したい、こういうふうにできるようにしていきたい、このように考えているところでございます。

 それから、今先生お話しのとおり、地域職業訓練センターの譲渡価格は、八十二施設のうち八十施設が無償となった、こういうところでございます。

山崎(摩)委員 しかし、譲渡後の修繕費等についても、これは大変地方自治体の負担が重いということが各団体から上がってきております。今後見込まれる大規模修繕についても、国の応分の負担を求める声が地元にはあるわけですが、このあたりはいかがでございますか。

小林大臣政務官 施設の修繕費については、従来、大規模なものについて雇用・能力開発機構で負担しているところであり、譲渡後の修繕費について、自治体の負担が重くなるとの今先生御指摘のような声があることは承知しております。

 このため、譲渡前に必要な修繕を実施した上で譲渡することとしていたところではありますけれども、譲渡後においても、地域職業訓練センターの修繕費用に ついて、平成二十三年度から一定期間、国が負担する激変緩和措置を講ずるとともに、その後も一定の補助を行っていきたい、このように考えております。

山崎(摩)委員 どうぞ、そのことについても御支援をよろしくお願いしたいと思います。

 譲渡のスケジュールについてですが、譲渡に当たりましては、譲渡期間が今年度末とされている中で、職業訓練等の運営に切れ目が生じないようにする方策が 必要ではないかという声もまた自治体の方から上がってきております。厚労省におかれましては、こういった地方自治体の声をしっかりと受けとめ、譲渡につき ましては、誠意を持って個々に対応していただきますよう強く要望させていただいて、私の質問を終わりたいと思います。

 どうもありがとうございました。

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