会議録 第174回国会 厚生労働委員会 第23号平成22年5月26日

2010年05月26日 12:41

藤村委員長 次に、山崎摩耶君。

山崎(摩)委員 民主党の山崎摩耶でございます。

 まず、法案の質問に入ります前に一つ、訪問看護ステーションについて緊急の質問を大臣にさせていただきたく思います。

 大臣も御承知のように、訪問看護ステーション、実は看護師の人員確保が大変困難でございます。小規模で、課題を多く抱えておるわけですが、中でも、看護 職員の急な退職によりまして一時的に人員基準の二・五人を満たさなくなった場合、都道府県の御指導は、即座に事業所を廃止、休止、そんなことにつながる状 況が全国でまだ起きております。

 ステーションが閉鎖することで一番お困りになるのは在宅療養していらっしゃる国民でございますので、一時的に人員基準二・五人を割った事業所が即閉鎖、 休止ということではなくて、再び人員確保ができるまでの間、例えば六カ月間の経過措置を設けるなど、基準の弾力的な運用が図れるようにしていただけない か、都道府県に対して通知をしていただけないかというようなことでございます。

 これについては、昨年の十一月に、訪問看護推進の三団体、日本看護協会、全国訪問看護事業協会、日本訪問看護振興財団からも厚労省に要望書が出ておりま すが、一向に改善をされておらず、現場は大変お困りになっておりますので、このことについて大臣に、通知等何らか緊急の措置をしていただけないか、いかが でございましょうか。

長妻国務大臣 山崎委員におかれましては、看護行政あるいは医療行政に日ごろ非常に見識の高い御指導をいただきまして、ありがとうございます。

 今御指摘いただいた点でありますけれども、訪問看護ステーションが人員基準を満たせなくなって、即座に事業所が閉鎖というようなお話がございました。

 この質問をいただくということで、調べてみますと、平成十一年に各都道府県の担当あてに厚生労働省から通知が出ておりまして、そういうふうに満たさない 場合にも、まず、一として、相当の期間を定めて基準を遵守するように勧告を行う、すぐに停止というのではなくて。二番目として、相当の期間内に勧告に従わ なかったときは、事業者名、勧告に至った経緯、当該勧告に対する対応等を公表する。三番目には、正当な理由がなく当該勧告に係る措置をとらなかったとき は、相当の期限を定めて当該勧告に係る措置をとるよう命令することができるものであるということで、ぱっぱっぱっと非常に早く、一気にやるということでは ございませんで、こういう三つの段取りをとるということが、平成十一年九月十七日に通知がございます。

 これは、今御指摘いただきましたので、実態を把握した上で、そういうことがあるとすれば、再度同じような趣旨の通知を出すことも検討していきたいと思います。

山崎(摩)委員 ありがとうございます。

 平成十一年ということであれば、県の担当者も二、三年でころころかわるわけですので、ぜひまた新たに通知をお出しいただいて、訪問看護ステーションが活力あるものになるように、どうぞお願いしたいと思います。

 それでは、今回の機構法案についてお尋ねしてまいります。

 前政権下では大変社会保障費を削減してまいりましたので、そういった財政議論の中から、社会保険病院、厚年病院、船員保険病院等売却というようなことで 出てきたものでございますが、私は、やはりこれまでの地域の医療を担ってきた病院として、今回の法案は、継続とか存続を図り、医師や看護師等の働く職場を 守り、地域医療も守る、そのために新しい受け皿を整備するものというふうに受けとめておりますが、それでよろしいのですね。大臣、御確認をお願いいたしま す。

長妻国務大臣 売却組織のRFOで売却努力をして、なかなかそれがならなかった病院については、RFO がなくなると、法的根拠がなくなって宙に浮いてしまうということでありますので、地域医療を担っていただく、この役割に非常に期待が大きいわけでございま すので、それについては、今回お願いしている枠組みの中で、スケールメリットも生かして地域に貢献をしていくということであります。

山崎(摩)委員 病院を売るというのは大変難しい問題でございますので、これまでの地域医療政策に私は大きな問題があったんじゃないかと前政権のことは総括しております。

 そこで今回、新しい独法をつくるのか、国立病院機構ではだめなのかなどなど、既に皆さんから御質問がありましたので私は重ねませんけれども、売却のため の組織、RFOではなく、新たな機構で束ねて運営する、そのことでスケールメリットも働くわけですので、効率化とか費用の削減、人材の育成とか研修、人事 交流も可能になり、本当に医療の質もこれで上がっていくんじゃないか、そういう期待もしております。

 しかし、一方では、メリットだけではなく、やはり独法のガバナンスが問題になってくるんだろうと。その意味では、今までの独法のあり方ではやはり困る。 ですから、新政権らしい運営をしていただきたいというふうに思うわけですが、そのあたりの御所見を大臣からよろしくお願いします。

長妻国務大臣 今ガバナンスの話もありまして、長尾委員からは剰余金のお話もございました。

 それについて、本当に注意、きちっとしなければいけない点というのは、地域医療を担う、これは当然でありますけれども、そういう剰余金、貴重な貴重なお 金を有効に使ってこそ、新たな税投入や保険料投入がなされないということになるわけでありますが、耐震性を確保する、例えばIs値が〇・六未満の病院につ いては改修するというのはもちろん必要だと思いますが、それ以外の、まあ老朽化という言葉も注意しなきゃいけないのは、老朽化という名のもと、どんどんま だ使える病院を壊して新しい建物を建てていって、結局赤字になってしまう、こういう病院も地方で散見されるわけであります。

 それについては、理事長を含めガバナンスをきちっときかせて、やはり適切に運営をして、すぐに箱物をつくるというマインドを持っておられる方もいらっ しゃいますけれども、そうではなくて、実質的に中身を拡充していくということをきちっとチェックできる体制が重要だと思います。

山崎(摩)委員 運営について具体の質問でございますので、ここから先は足立政務官に幾つかお尋ねをしたいというふうに思います。

 現在、社会保険病院は独立採算で、それぞれの病院が努力をしてやっていらっしゃるというふうに聞いております。経営の責任者として、病院長に人事ですと か給与面で大幅な裁量をゆだねているというふうに伺っているわけですが、機構になった場合の運営の基本的な考え方はどうなっていくのか。

 また、医療というのはそもそも地域性がありますので、機構本部で全国一律の運営というふうにはいかないだろう。ですから、事業運営のスキームを各病院が決めて、自立した運営ができるようにすべきだというふうに考えますが、いかがでございますか。

足立大臣政務官 おっしゃるとおりだと思います。

 これは、スケールメリットを生かすべき分野と、地域地域の特性、独立性を尊重すべき分野、当然あることだと思います。ですから、病院長の権限の範囲をどうするかというのは非常に大きな課題だというふうに我々も認識しています。

 そんな中で、先ほど来例が出ております公益法人三団体の職員が、同じ条件下、あるいは地域特性はあるかもしれませんけれども、ほぼ統一された条件下にな るというようなことを決めていく過程の中で、全国的な展開の分野と、それから病院長への権限をどのように持っていくか、まさにこれが、機構法が成立した 先、機構が設立されるまでの間、その議論が最も大切なことだと私は思っています。

山崎(摩)委員 ありがとうございます。

 RFOに行きましてから、売却ということで、病院はそれぞれに、スタッフも集まらない、やめていく、本当に職員が不安な中で働いておられましたけれども、職員の採用、雇用についてちょっとお尋ねをしたいと思います。

 これまでの質問の中で、御本人が希望すれば原則継続雇用するということでお答えになっておられますけれども、今までの団体の職員は一たんやめて、改めて 採用するのか。そのときの退職金の取り扱いはどうなるのか。また、原資は新独法に継承して通算されていくのか。それから、三団体それぞれに厚生年金基金で すとか健保組合ですとかあるわけですけれども、こういった職員の待遇に関しては継承されていくのか。このあたり、大変現場が御不安があるものですから、 ちょっとお答えくださるとうれしいです。

足立大臣政務官 先ほどの議員の御指摘は、機構が設立されるまでに非常に重要な点、今の問題は、特に、先ほどの三法人が運営委託されている、そして委託がなくなるまでの間に非常に大きな問題だと思います。

 具体的に言いますと、先ほど退職金の話も出ておりましたが、これは、全社連それから船保会、厚生団では、現時点では計算式も違います。それから、厚生年 金は、全社連、船保会は厚生年金基金、そして厚生団は企業年金基金というふうになっています。健康保険についても、全社連、厚生団は健康保険組合、船保会 は協会けんぽ、そういうふうにばらばらなことになっておるわけですから、これこそ機構のもとでその法人の方々としっかりした議論をして決めていくべき問題 である、まさにその点が設立後の大きな問題だ、そういうふうに考えておりまして、今のところ、こういう方針で臨むと言うことは差し控える問題だ、そのよう に思います。

山崎(摩)委員 スケジュール観は理解いたしましたので、くれぐれも、雇用されている従事者ですとか周辺の住民のお声を聞いて、よりよい方向で進めていっていただきたいというふうに思います。

 また、全社連では、看護研修センターを長らく運営していらっしゃったり、看護師の養成専門学校をお持ちであったりと、そういったところで大変お取り組み もあって、マグネットホスピタル的に、看護職員の中でも大変評判のいい病院も幾つかあるわけです。また、病院長のトップセミナーですとか各職種のスキル アップですとか、こういった研修などもきちんとやっておられましたけれども、こういったこともきちんと継続されていくような運営を望みたいと思いますが、 いかがですか。

足立大臣政務官 先週の質疑でもありましたように、この研修機能というものも、実は今回の機構に属する 病院にとっては非常に大きな機能を果たしている。特に、今議員が挙げられました看護教育ということについてですけれども、三年課程の看護学校は、全社連の 中では七校、厚生団は二校だったと思いますが、かなりの数の方がいらっしゃって、当然、質の高い地域医療を提供していくためには看護師の役割というのは極 めて高いものでありますので、この分野については機構においてもしっかり果たしていきたい、そのように思っております。

山崎(摩)委員 もっと質問したいのですが、私は若干十五分しか持ち時間がございませんので、最後に一問大臣にお願いして、終わりたいと思います。

 売却という話も先ほど来御議論にありましたが、私はやはり今後も機構で束ねて、特別な場合を除いて売却をせずに、地域医療推進機能をしっかり発揮していっていただきたいなというふうに思っているわけでございます。

 その意味では、今回の議論を通して明らかになっておりますのは、公的医療、公的病院の役割、これらのことも、やはり大きな、これから私たちがきちんと詰 めていかなければいけないところではないかなというふうに思っておるわけです。医療法改正ですとか、地域の拠点病院ですとか、民ができるものは民にとか、 いろいろありますが、私はやはり、それぞれの地域で公的医療、公的病院はきちっと役割を果たすべきだというふうに思っております。

 そのあたりで大臣の御所見を一つお伺いして終わりたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

長妻国務大臣 大きく、例えば民間病院、自治体病院、今回の社会保険病院、国立病院、あるいはナショナ ルセンターと言われるがんセンターなど、今言ったような種類、いろいろな経営形態があると思うんですが、やはり公的病院というのは優遇されている面があり ますので、それぞれきちっとした役割分担がなされないと、税の優遇など、国民の理解が得られないと思います。

 その中で、今回お願いしている法案は、四疾病五事業やリハビリあるいは地域で必要とされている医療ということについてはきちっと取り組む、その上で、民 間がやっているような、地域からニーズのある医療も取り組んでいく、こういう姿勢が重要ではないかというふうに思いますし、それがきちっと説明できなけれ ば、公的病院としてのメリットを受けるのはなぜなんだという問いを国民の皆さんから受けることになると思います。これはそれぞれの病院あるいは新独法の理 事長に課せられた責務だと思っておりますので、我々もきちっと指導をしてまいります。

山崎(摩)委員 ありがとうございました。一日も早くこの法案を通しまして、やはり六十六病院の安定的な運営をお願いしたいと思います。

 ありがとうございました。

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