会議録 第177回国会 法務委員会 第4号平成23年3月30日

2011年04月15日 12:52

○奥田委員長 次に、山崎摩耶君。

○山崎(摩)委員 民主党の山崎摩耶でございます。

 本日は、法務委員会で質問の機会をくださいましたこと、まずは委員長初め委員の皆様にお礼を申し上げたいというふうに思います。

 法案の質疑に入ります前に、やはり私も、三月十一日、東北、関東を襲いました大地震、大津波、そしてまだ福島原発は大事故が進行中でございますが、このことにつきまして少し御質問をさせていただきたいと思います。

 本日の新聞によりますと、この未曾有の被害で亡くなられた方は既にもう一万一千人を超えていらっしゃる。いまだ二万人近い方が安否が不明でございますし、十七万人を超える方たちが避難をしていらっしゃる。その意味では、本当に、この震災で亡くなられた方、御遺族の方に衷心からお悔やみ申し上げますとともに、被害に遭われた皆様に心からお見舞い申し上げたいというふうに思います。

 私も、実は岩手県で教鞭をとっておったことがございまして、この震災で陸前高田市に赴任しておりました保健師の教え子が亡くなったりというようなことで、人ごとではございませんで、本当に私自身もこの復旧復興に微力ながら尽くしてまいりたいと思いますが、こういう未曾有の震災に遭いますと、本当に法は弱者のためにあるということを私は実感させられたようなことでございます。その意味では、この法務行政、しっかり復旧復興のためにも大臣初め頑張っていっていただきたいと思いますし、私どももしっかり頑張ってまいりたいなというふうに思っております。

 そういう意味で、震災に関しての法務省の初動の体制というのはいかがなされたのか、まずお伺いをしたいと思います。

○江田国務大臣 法務省としては、まず、地震発生直後に法務省災害情報連絡室というものをつくりまして、ここを窓口にして情報収集やあるいは情報発信をしました。と同時に、その日ですが、つまり三月十一日、私を本部長とする法務省災害対策本部を立ち上げまして、政務三役及び各局部課の幹部職員の間で情報を共有し、また意思統一を図りながら各種の取り組みを推進してまいりました。

 ちなみに、法務省災害対策本部というのは、従来は、実際につくったことはないんですが、事務次官が本部長になっておりましたが、今回は法務大臣が本部長になるということで、強い決意を持って事に当たり始めたわけでございます。

○山崎(摩)委員 ありがとうございます。

 大臣の強いリーダーシップで体制をつくられたということでございますが、初期のお取り組みというのはどのようなことを具体になさっていらっしゃいましたでしょうか。

○江田国務大臣 さまざまございますが、まず、出入国管理の関係では、海外の緊急援助隊の皆さんが来られますが、可能な限り迅速な入国手続を行いました。これは入る方。次に、出る方、出国の急増というものがございましたが、これも特別な事務処理を行って、申請当日、再入国許可が出せるように対処してまいりました。

 さらに、出入国関係の相談のための専用ダイヤルの設置であるとか、あるいは外国人の安否確認というものがございまして、それぞれ外国人登録をしている自治体の機能が麻痺しているようなところもたくさんございましたので、入国管理局にある外国人のデータを提供するということをやりました。大使館にも提供しております。それから、いわゆる指紋などを持っておりますので、これは安否の確認に必要な場合には照会に応じておるということでございます。

 矯正関係、ここでは、矯正施設から毛布、マスク、簡易トイレ等の物資を被災地に運搬して提供したり、また、東京、大阪両管区から宮城刑務所に派遣した職員四十名、これが石巻市の住民支援に当たりました。さらに、矯正施設に勤務する医師二人を被災者の治療等に当たらせました。

 地方自治体に対する職員派遣もございまして、政府に対する岩手県からの要請にこたえまして、きょう出発をしたところでございますが、明日から法務省の職員四名が宮古市に派遣ということになって、寝袋を持って出ていったと聞いております。

 さらに、法令の関係もございまして、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律に関する政令を定めて破産などの手続を決め、さらに今、罹災都市借地借家臨時処理法あるいは被災マンションの特別措置法、これを適用するための政令の検討をしているところでございます。

 また、倒壊建物とか損壊自動車などの私有財産の処分のあり方、あるいは不動産権利関係の整理のあり方についても検討を進めているというところでございます。

○山崎(摩)委員 ありがとうございます。

 今回の被災地にも刑務所がございましたよね。その警備それから救援に当該刑務所にも人をお出しになったというふうには伺っておりますが、幸い刑務所には今回被害はなかったようでございますけれども、服役中の受刑者の方の安全の確保ですとか避難ということについて、法務省としては日ごろからそのスキームというのをお持ちなのかどうか、ちょっとお尋ねをしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○江田国務大臣 受刑者の関係については、今回は被害がございませんでしたが、幸いなことだと思っておりますが、日ごろは、関係法令に基づいて、被災していない安全な地域にある刑事施設に護送するという、これは刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第八十三条というのがございまして、そうしたこともありますし、また、もうそういうことができないという事態の場合には、一定の手続を経て解放するということもございます。

 もちろん、解放して、はい、さようならというわけにはいかないので、それは帰ってこなきゃいけないということにはなりまして、出頭命令が出れば出頭していただく、しない場合には逃走罪に当たる、そういうようなことになっております。

○山崎(摩)委員 ありがとうございます。

 福島におかれまして、きょうの報道によりますと、福島県内の留置の支所からは五十人ぐらいが県外にお移りになっているというようなこともあるようでございますので、このことも、ある種受刑者または関係の方の人権というのも我々は守っていかなくちゃいけないということで、大事かなということでお伺いいたしました。

 次に、戸籍簿等の流失の問題なのでございますが、特に津波で市町村役場が機能せず、戸籍原簿が失われた市町村があるということを聞いております。この戸籍簿は、正本は当該市町村役場にあり、副本が地方法務局にあるということは承知しておりますけれども、その地方法務局も、大船渡などは当初、その副本もなくなっているのではないかというふうに報道されたりしておりますが、現状はどうであったか、ちょっとお尋ねをしたいと思います。

○小川(敏)副大臣 現状としましては、法務局にある副本は、消滅したものはございません。すべて残っております。

○山崎(摩)委員 法務省として、今回はそういうことで副本は残っていたということですが、この大震災を教訓として、戸籍情報の保護、バックアップ等についてより万全を期すという意味では、何か御検討していらっしゃいますでしょうか。

○小川(敏)副大臣 今回、役場の戸籍の正本がなくなった、その地域を管轄する法務局も二階まで浸水したという事案がありました。ただ、副本は三階以上にあったので無事だということですが、やはりそうした危険が現に生じたわけでございますから、そうした事実を踏まえて検討してまいりたいと思っております。

○山崎(摩)委員 このICTの時代でございますので、二重三重のバックアップというのは容易にできようかというふうに思いますので、ぜひその辺もよろしく進めていってほしいなというふうに思います。

 それで、戸籍簿に関しましては、実は昨年の夏、例の、消えた高齢者といいますか、所在不明高齢者と言われるような事件がありましたですね。そのときに、死亡の届け出がないと永遠に戸籍に残っているという事実を改めて国民の皆様も認識をしたのではないかなというふうに思います。

 そのときに民事局が調査をなさいまして、その際に、百歳以上の高齢者であって死亡の事実を確認することができないものに係る戸籍の消除の取り扱いということで通知をお出しになっていますが、そういう場合は市町村長が職権により消除できるという旨、取り扱いについての対策がとられておりますね。

 今回は全くあれが違いますけれども、地震、津波が同時に襲ったということで、一家全員が亡くなられたり、また安否の不明、安否がわかりますまで非常にやはり今後も長時間かかるだろうということが予測できる。それからまた、数が非常に今回は、先ほど申し上げたように、膨大になっている。ということで、このような大災害は私ども体験をしたことはないわけでございますが、これらの場合の戸籍の取り扱いというのはどんなふうになるのか、ちょっとお教えいただきたいと思います。

○小川(敏)副大臣 戸籍の記載はあくまでも届け出が前提でございますので、親族等関係者が死亡の届け出をして初めて死亡という記載がなされるわけでございます。ただ、死亡しているのにその届け出がない場合どうするかという点がございます。また、委員が御指摘されたように、行方不明となって死亡の事実が確定できない場合にどうするのかという点もございます。

 行方不明者の場合には、利害関係人が裁判所に失踪宣告ということで法的に死亡したという扱いの手続をとって、それで死亡ということになるんでしょうけれども、いずれにしても、関係者がそうした手続をとらない場合、やはり役所の方では死亡ということが戸籍上記載されないという事実が残るケースは、今の制度ではあり得るわけでございます。

 ただ、なかなか難しいのは、例えば失踪宣告を利害関係人がとらない場合に職権でそれをとるといいましても、一般的には、行方不明になられた方について、役所が本当に、どういう事情で行方不明なのかどうか、危難というものを職権で断定してしまっていいのかどうかという点もございますので、やはり利害関係人のそうした手続を待つ今の制度でやむを得ないのではないかと思っております。

 その結果、事実上は死亡している、しかし戸籍上には死亡が記載されないというケースが生じ得るということになりますが、一方で、死亡している人が戸籍上死亡の記載がされないことによって、実際の社会上に具体的な弊害が起こるということは余りないのではないか。

 そうした場合に、やはり、失踪宣告とかそうした手続をとってまで死亡を確定するというぐあいに職権でとることについて、万が一、死亡されていない方が、ただ単に行方がわからなかっただけで実際には死亡されていない方を職権で死亡としてしまうというようなことが、これはあってはならないわけでございますので、そうした場合の比較考量しますと、今の制度の中で、死亡したことがあっても死亡ということが戸籍上に記載されないというケースがあり得るということもやむを得ないのではないかというような考えでおります。

○山崎(摩)委員 次回、またこの御議論をさせていただきたいと思いますけれども、戸籍法による認定死亡の場合は、一年待たずしても即刻手続ができることですとか、復旧復興で相続の問題等いろいろ生じてこようかということで、これはまた御議論をさせていただきたいというふうに思います。

 次の質問に移りますけれども、先ほど階委員の方からも御質問ありましたが、今回の、財産侵害、津波関係で、その指針をお出しになられていますね、損壊家屋等の撤去等に関する指針。これはいち早くお出しになられたところで、一定の整理ができているのかなというふうに思いますけれども、しかし、瓦れき撤去の指針に困惑をしているということですとか、解釈と運用をもっと自治体に示してほしいというようなことも自治体からはあるやに聞いておりまして、仮置き場に大きな船とか自動車を何百台というのも非常に困難があったりするということで、地元は大変混乱していらっしゃる。

 追加の指針などを今後出される予定があるのかどうなのか、それをちょっと伺いたいと思います。

○小川(敏)副大臣 今回の家屋等の解体物の撤去の指針でございますが、まずその背景を申し上げます。

 我々は議論の中で一般的に廃棄、廃棄と言っておりますが、廃棄というのは、所有者が捨てたから廃棄であります。その場合には、所有者が捨てたから所有権はもうないわけでございますが、今回の場合、ですから廃棄という言葉は余り適切ではなくて、所有者は捨てた意思はない、廃棄した意思はないんだけれども、所有者の意思に反して流れてしまったわけでありますので、場所がどこか移転してしまっても、所有者は所有権を放棄していないから所有権が及んでいるということになるわけでございます。そうしますと、瓦れきは、流れ出たものを中心に見れば、他人の土地にだれかの所有物が乗っかっている、ある、このような観念的な問題がございます。

 これで、行政が震災の復興のために瓦れきを除去しようとするときに、土地の所有者は自分の土地の上をきれいにしてもらうのはいいかもしれませんが、その上に乗っかっているものが観念的に所有権があるんだということになりますと、では、人の所有物を勝手に撤去、移動したり捨てたりしていいのか。やはりこれは、そうすると、観念的に所有権が及んでいる物件であれば、所有者を捜して所有者の許可を得なくてはならないのか、このような問題が生じました。

 しかし、そうしたことをやっていたのでは瓦れきの撤去が進まない、そういう実情の中で、そうした他人の土地に流れ出た漂流物をどのようにしたらいいのかということについての法的な見解を求められました。そうした背景で指針を示したわけでございます。そして、基本的には、所有者の個々の承諾、あるいは所有者を捜すことはしないでも、現行法の枠の中でそれを撤去することは差し支えない、このような指針を示したわけでございます。

 また、一つの例として、仮置き場の規定が、例えば船を仮置き場に運ぶということが実情に合わないのではないかというような報道もいただきました。

 ただ、指針そのものは、仮置き場を必ず設けて、そしてそこに必ず運べというものではなくて、仮置き場等に移動することができるという、「仮置場等」というのがございます。ですから、仮置き場を設けることができなければ、適宜、船等を移動してそこに置いておくことも可能である、そうした広い意味で仮置き場等に移動することができるという趣旨で私どもは指針をつくったんですが、報道では「等」が抜けていまして、仮置き場に必ず移動しなければならないかのような前提で報じた記事があったことは承知しておりますが、指針の趣旨としては、報道されたような趣旨ではないということでございます。

○山崎(摩)委員 ありがとうございました。

 また、家屋ですとか構造物の除去作業に当たりましては、土地の境界標識ですとか境界付近の地物の保存が図られるような措置も必要だと思いますが、これはどのようになっていますでしょうか。

○小川(敏)副大臣 これも、瓦れきを除去した後、あるいは復興のために、民有地の境界が不明となっては困りますので、除去作業を行う省庁に対して、そうした境界の表象物は努めて残置するようにというような要請をしております。

○山崎(摩)委員 また、土地の確定というものも、今回のように地殻変動があったりしますと、なかなか難しいことも出てくるのかなということで、各筆の土地境界の移動ですとか不明の状況を現地で調査しなければいけない。それからまた、既存の登記所備えつけの地図ですとか測量図との照合ですとか、そういったことを調査しながら、適切に対処をしていかなくてはいけない。これについても、非常に時間がかかるし、膨大な作業になるかというふうに思います。

 これらについて、日本土地家屋調査士会連合会の皆さんなどからはいろいろな御提案ですとか御要望をいただいていたりしておりますけれども、まさに官民一体となってこのことに取り組んで、いち早く復興していかなくてはいけないというふうに思いますが、そのあたり、いかがでございますか。

○小川(敏)副大臣 まさに委員の御指摘のとおりでございまして、登記所という官の側だけではなくて、やはりその土地に関係する方々、そして専門の土地家屋調査士の方も、本当に総力を挙げて、間違いがないような、そうした対応をしたいと思っております。

○山崎(摩)委員 どうぞよろしくお願いしたいと思います。

 それでは、本日の議題の法律についてちょっとお尋ねをしてまいりたいと思います。

 今回、定員法の一部を改正する法律ということで、その趣旨は、下級裁判所における事件の適正かつ迅速な処理を図るために、特に民事訴訟事件の適正かつ迅速な処理ということで、判事の員数を四十五人増加しようとするものであるということで、基本的には私は増員はよろしいのではないかなという立場で申しておりますけれども、国民がどこに住んでいても適正に迅速に法的な解決ができるというこの基本的な権利、これを私たちはきちんと担保していかなくてはいけませんが、一方で、裁判官のいない、司法の過疎地域と言われるような地域に暮らす国民の裁判を受ける権利が侵害されていないか、こういうことも同時に考えていかなくてはいけないのではないかなというふうに思っております。

 近年、いろいろな司法改革が進められてくる中で、選択と集中というのでしょうか、裁判所の数を減らしたり、甲号、乙号の区別も廃止をされたりしてきておりますけれども、現在の地家裁支部の判事の配置というのはどのような基準または考え方で行われているのか、お伺いしたいと思います。

○戸倉最高裁判所長官代理者 委員御指摘のとおり、裁判所は、全国津々浦々におきまして適切な司法サービスを提供するという観点で、まず全国に五十の地裁及び家裁の本庁と、あと二百三の支部を設置しております。

 裁判所の使命は、適正、迅速に事件を審理、解決することでございますので、そういった観点で申しますと、裁判所の体制におきましても、どの地域におきましても滞りなく審理が行われるように、全国的に適切な司法サービスを実現するための体制を整えるという考え方でやってきております。

 そういった点で、まず私どもの裁判官の配置の基本的な指標となりますのは、やはり各裁判所におきます業務の重さということでございます。これは、一つは事件の数ということによって左右されるわけでございますが、あとは、裁判所におきまして事件の困難の度合いというか、事件はさまざまでございますので、その裁判所の事件の動向に応じた、質の問題ということも考慮して配置をしてきておるところでございます。

 先ほど申し上げましたような事件の数ということになりますと、これは、大庁とかなり規模の小さい庁では大きな差がございまして、庁によりましては、必ずしも裁判官一人分の事件数まではないというような庁もございます。

 そういった点につきましては、裁判官をできるだけ効率的に配置するという観点から、その庁に本務として在籍することではなくて、近隣の庁から裁判官が出張して処理をするという庁もございますが、そういった点におきましても、やはり結果として具体的な事件の審理あるいは司法サービスの提供に、本庁あるいは裁判官が常駐している支部との間に格差があってはならないという点で、我々注意深く見ておりまして、そういった点で、もし事件の増減等がございましたら出張の回数をふやすとか、あるいは緊急事件につきましては、必ずしも出張する予定のない日であっても臨時に出張をして、事件をきちんと審理、判断するという体制を整えてきておるところでございます。

 その結果、審理期間、我々は平均的な審理期間等を見ておりますけれども、その関係でも、それらの必ずしも裁判官が常時いないという支部におきましても、ほかの庁に比べまして特に遜色のない事件の審理、判断がされているものと承知しております。

○山崎(摩)委員 局長のお立場からはそういう御答弁になるのかなというふうに思いますが、地元でいろいろ伺っておりますと、あながちそうでもないという感じもちょっと私はしております。

 今回、四十五名増員ということですが、そうしますと、具体的にどういうふうな配置になるかということはいかがでございますか。

○戸倉最高裁判所長官代理者 今回増員いただきました場合には、やはり、最近の事件数は大規模庁を中心に極めて増加しておりまして、そのあたりの裁判官の負担というものが非常に重くなっておる状況にございます。

 こういう裁判官の負担が重くなりますと、やはり、裁判官は実は多くの事件を同時に進行しながら審理しておりますので、結果といたしまして、審理の迅速さに影響が出るというような問題もございますので、最終的な判断は今後の事件動向も見ながら検討してまいりますけれども、今回の増員分につきましても、事件が増加している繁忙庁を中心に増配置することになろうかというふうに考えております。

○山崎(摩)委員 突然でございますが、大臣は、裁判官ゼロマップというものがあるのを御承知でいらっしゃいますか。

○江田国務大臣 ゼロマップというのは聞いたことがあるような気がいたしますが、聞いたことがあるというんじゃなくて、いろいろな支部に裁判官がいない支部があるということは存じております。

○山崎(摩)委員 突然の質問で失礼いたしました。

 全国には、地裁、家裁の本庁が五十で、支部が二百三、そのうち四十六支部には常駐の裁判官がいないわけですね。その四十六支部のうち、実は、十カ所、二一・七%が北海道でございます。北海道は大変広大な大地でございますので、裁判官がいないところ、例えば、支部にとか本庁にといってもこれはまた百キロ、二百キロ、三百キロ、こういう距離感でございますことをちょっと頭に置いていただきたいなというふうに私は思います。ですから、特に裁判官がいない支部というのは道北、道東のところに集中をしているということで、住民にとっては大きな課題になっているということでございます。

 実態を申し上げますと、常駐していない支部では、一カ月に一回か二回程度の間隔で裁判官が本庁からてん補していくということで裁判が行われ、通常は書記官事務が行われているということです。

 このことについては地方議会からも意見表明がなされておりまして、北海道議会が三月九日、今月でございますが、「北海道内すべての裁判所に裁判官の常駐を求める意見書」というのを全会派一致で採択をして、衆参両議長、それから総理大臣、法務大臣あてにも提出をしているところでございます。これに続き、当該地域の道北、道東の八カ所の市町村議会でも同様の意見表明が行われている。

 意見書の中身をちょっと見ますと、例えばDV事件などの保護命令申し立てや被告人の保釈申請など、緊急性を要する事件であっても、裁判官が派遣される日を待つか、百キロ、二百キロの遠方にある本庁まで出向かなくてはいけない、このため、非常駐支部管内の住民が保護命令の申し立てをあきらめざるを得ないという場合や釈放されるまでに長時間を要する事態も生じている。他の地域の住民に比べ、裁判を受ける権利を制約されている、あるいは保障の程度が低くなっていると言わざるを得ないのではないかというのが意見書の内容でございます。

 このような、いわば司法の過疎地ともいうような住民の権利保障についてはどのようにお考えになっていらっしゃるか。いかがでございますか、局長。

○戸倉最高裁判所長官代理者 今委員御指摘のとおり、北海道の支部の中には裁判官が本務として常駐していない支部が集中しておるというのは事実でございます。

 これらの庁におきましては、先ほど申し上げた事件数という観点で極めて少ないということもございまして常駐しておらないということでございますし、また、これは非常に、例えば旭川で申しますと、実際に支部に出張するまでの距離という問題等もございまして、確かに、一月に一度、三、四日というような形で出張するような体制であることは御指摘のとおりでございます。

 ただ、先ほどの道議会の議決の内容は、私ども、拝見して承知しておるわけでございますが、緊急事件の処理、特にDV事件等について、緊急事件の処理体制につきましては、これは受け付けをいたしますとすぐ本庁の方に連絡をいたしまして、その担当裁判官が必要な指示をいたします。事情を伺う手続などが必要になった段階でこれは臨時に出張するという体制をとっているところでございますので、私どもといたしましては、そういった事件について、その周辺の利用者、裁判所を利用される方に御不便をおかけすることはあってはならないというふうに考えておるところでございます。

 これは、確かに私ども、方針は方針としてこうしておりますが、実際の運用がどうなっておるかというのは、やはり実際の利用者の声であるとかそういったことを十分お聞きしながら、また運用の改善には努めてまいりたいというふうに考えております。

○山崎(摩)委員 もう時間が参りましたのでこれで終わりますが、四十五名増員を大規模庁に配置をするということでございますけれども、こういう非常駐支部をなくしていくような前向きのお取り組みを大臣にぜひ、法務省としても、違うとおっしゃるかもしれませんが、またお力添えいただきたい。それから局長にも、そういうことを強くやはり推進をしていただきたいということをお願いして、私の質問を終わりたいと思います。

 本日はありがとうございました。

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