米韓FTAの調査・意見交換でソウルに行って来ました!

2012年02月24日 15:15

2月19日、20日とソウルに飛びました!TPPを慎重に考える会で訪韓。【米韓FTA】に対する問題点を韓国内の関係者=国会議員や有識者、闘争本部などで聴取、意見交換することが目的です。

札幌から羽田経由で飛びましたが、北海道と同じマイナス8度。1000万人都市となったソウルのビルの中をふく風もさすがに冷たい!雪のある札幌のほうが暖かく感じます。

19日、日曜日にもかかわらず「米韓FTA阻止汎国民運動本部」には朴代表以下6人が対応してくれた。休日で暖房のない部屋での3時間だったが、寒さも双方の熱気で次第に部屋が暖かく。運動本部は労働組合、農業者など全国の約300団体で組織。15の分野別委員会には、保健医療共同対策委員会もある。当初、反対派の国会議員は50名くらいだった由。現在は80名が反対している。

興味深かったのは2006年当時、最初に米韓FTAの不平等さに反対ののろしを上げたのは映画関係者と俳優たち。何しろ「韓流映画」は国策で輸出していることや、「スクリーンクオーター=国内の映画館で上映の二分の一は韓国映画をという保護策」をはずすようにFTAに書き込まれていることで打撃が大きいと行動したという。

2008年には米国産牛肉の輸入反対運動。100万人のローソクデモ集会。95%がアメリカの利益、韓国の利益は5%しかない。それも自動車のみ。再交渉で5%もなくなる。

2011年にはかって国民の20%しか反対はなかったが、いまは70%が反対していると。民主党が本格的に反対する。この4月には総選挙があることから牽制している。2月あたまには96名の国会議員連盟でオバマ大統領、上下院議長に反対の書簡を送っている。

 【米韓FTAに反対する4つの理由】

 その①;民主主義の崩壊;国民も国会議員も何も知らされず、秘密裏に協議交渉。協議文書も3年間公開   されない。

 その②;韓米の利益の不均衡;農業、保健医療、繊維、自動車などすべてアメリカに有利に。韓国は協定優先なのに、米は連邦法優先という不平等条約。

 その③;「毒素条項」による主権の侵害;ISD,ネガテイブリスト、ラチェト条項など

 その④;アメリカの目的は、相手国の制度と法律を変える事。アメリカ化。新自由主義を押し付ける。

【保健医療関係】では、①特許権と特許期間が長くなり、ジェネリック薬が国内で作りにくくなり、結果として医療費が高騰する。また薬価決定に製薬会社が異議申し立てをし、独立した第三者機関が決めている薬価に政府が介入することになる。②医療機器にも大きな影響。特許の独占で国内がダメージ。③また営利病院の導入で医療費が高くなる。規制緩和で自由診療や医療ツーリヅムの病院が存在するが、一旦、特区などで規制緩和したものは元に戻れない=ラチェット条項で営利が継続するなど、危惧が表明された。④韓国も国民皆保険だが、すぐに皆保険に影響はしないと思うが、「未来留保」で将来、民間保険も可能にされる危惧も。

【政党の動き】当初、米韓FTA交渉をはじめたのは民主統合党(前ウリ党)だが、「当時は知らなかった」と反省。又当初は良かったが再交渉でアメリカに圧倒的に有利になったから反対と現在は2つの理由で反対している。

20日は韓国国会内で民主統合党のジョン・ドンヨン氏、統合進歩党のカン・キカブ氏、クオン・ヨンキル氏などそうそうたる国会議員5人と意見交換を。4月の総選挙、11月の大統領選挙では政権交代すると力強い。皆様からは、まず、「絶対に韓国のマネをしないで欲しい!」との警告が。韓米FTAはこんな状態になっているのに日本が何故TPPに入らんとするのかさっぱり分からないと!内容が知らされずよく知らずに賛成していたが、韓国の主権を損ない、未来世代の利益を損なうと深く反省、阻止、破棄を運動している。経済主権を侵害する条項や、FTAは韓国の法律、習慣、制度を変える事が目的とあり、賛成できないと。

こんなトピックも話された。「2011年11月郵政改正法で、(日本で言えば簡保の)農漁村、離島の住民むけに、がん保険の給付を、4000万ウオンから6000万ウオンに引き上げようとしたら、2012年1月、アメリカ商務省からFTA違反だと攻撃され、この法改正は白紙になった」。これらは、TPPでも予測される事態なのだと。

さて韓米FTAに学ぶものがあるとすれば、2日間のソウル滞在中に、各氏から異口同音にいわれた「このFTAは貿易問題ではなく、国家主権、経済主権、人権をも侵害するものだ」という【教訓】。

1月にワシントンに調査でいったとき、USTRでカトラー次官補が「米韓FTAを勉強してください。TPPはあれより高い水準の包括的条約となるでしょう」といった言葉どおり、TPPも貿易条約というよりは、その目論見が「他国の主権や制度を脅かす」ものになるのではないかという危惧がさらに強くなったことは言うまでもない。韓国の徹を踏まないために、今後も国民の皆様に事実をしっかり伝えていきたいと強く思ったことでした!

意見交換後の国会内での記者会見には多くのメデイアが参加していましたが、国内紙でも私たちの訪韓が記事にされていました。

最後の写真は記者会見後、みんなでいただいた国会内の韓国式ランチです。野菜、肉、魚、とバランスも良く、わが議員会館の食堂より美味でした。

3月12日には砂防会館で国際シンポジウムを開催します。アメリカ、韓国、ニュージーランド、オーストラリアなどから国会議員や学識者、NGOの運動家などが参集し、議論しますので皆さまご参集下さい。

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