北海道のドクタージェット(メデイカルウイング)の大きな成果。

2012年05月15日 16:42

 5月12日土曜日、札幌で北海道航空医療ネットワーク研究会の総会に出席しました。この研究会は、札医大の浅井康文名誉教授を会長に、道内の三医大や手稲渓仁会病院、道内各地の基地病院の病院長、医師会、根室、利尻、羅臼の町長さんたちが委員の会ですが、ドクターヘリの配備やドクタージェットの試行運行など、広域かつ寒冷と雪の北海道の遠隔地の救急医療を守るべく、航空医療の実践と研究を済み重ねてきています。

1昨年、ドクタージェットを始めて研究運行したときには、道内の空港を使用可能にするために、私も微力ながら国交省にお願いしたことなどを懐かしく思い出していました。

これまでドクタージェットと呼んでいましたが、いざ商標登録したところ、すでにその名は使われていたということで、【メデイカルウイング】となった次第。

さて、このメデイカルウイング=固定翼機による救急搬送は、非常に有効かつ人命救助に資するものであることが今回も実証されています。

23年度は地域医療再生基金の全道事業で研究運行していますが、特に冬季間の運行研究を行いました。今年は厳しい豪雪冷温の冬となった北海道でしたが、大きい成果を上げていました。

2か月間で要請件数は27件、うち出動は12件、キャンセルが15件。運行率は44,4%.緊急事例が6例、準緊急事例が1例、計画搬送が5例。

有効事例をみると、ドクターヘリとは違った固定翼機のメリットが活かされた成果が如実です。

①高度周産期医療=分娩後に高度医療を必要とする児の切迫早産例では、固定翼機の振動のなさが良好な環境で,遠距離を安定して妊婦を運べ、無事に出産。(帯広ー札幌。中標津ー札幌)

②人工呼吸器・吸引器を積んでの患者の搬送。(紋別ー札幌、釧路ー札幌) 

③減圧症の患者の搬送では、普通の民間機では与圧が不十分なため、患者の病状悪化が予想され、このジェット機で搬送。旭川から岩手の花巻まで飛んだということ。

④また離島の利尻に医師を運び、医師の減員が回避されたケースも。(利尻ー札幌)

この研究運行事業、多々ご苦労もありました。各病院の救急医療のドクターサイド、中日本航空の飛行機の運航サイドそれぞれに事業を担ってさまざまな困難を克服しながら、現実的な日常診療につなげ、救命につなげている皆様のご尽力に敬意を表しながら、私の役割は、皆様を支え、予算獲得や本格運行に向けた制度化などの環境整備をしていきたいとお話したところです。

写真は私のスピーチと、利尻町の田島町長さん。実際に島で活用して本当に助かったと実感を述べられていました。

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