週末は認知症グループホームで

2009年09月28日 00:00

週末は認知症グループホームで

「政権交代からまだ1週間だというのに、動きがスピーデイで、なんか変わってくれるっていう感じがしていいですね」とは札幌の仲間の言葉です。そのあわただしい永田町を離れて週末は札幌へ。現場訪問や会合、ちょうど開催中の日本老年看護学会でご挨拶など。

ところで介護保険の行方を考えるとき、ひとつのキーワードとなるのが認知症のケア。学会でも現場でも同様の論点が語られていたのが印象的でした。

診断・治療もケアも、そして看取りも、認知症に関しては課題が多いのですが、現場はやはり最先端ですね!今回も友人のグループホームで学ばされました。ひとつは若年性の認知症のケア、そして看取りのケアです。

若年性の認知症の方のケアを率先して実践し、データをだしているのは、全国1万箇所を越えたグループホームの中でもここくらいでしょう。40代、 50代の若さで認知症となれば80代を超えた超高齢者と同じケアでは本人も満足しませんし、効果も難しい。まず必要なのは「アセスメント」。その人はどん な人なのか、どんな人生を送っているのか、何をしたいと思っているのか、何ができるのか、【その人に添えるケア】とはなにか。そして何より在宅で一緒に暮 らしているご家族の支援が重要になるといいます。家族支援が1日でも長く在宅を継続できるポイントになるのです。

ある若年認知症の方がクラリネット奏者だったのを知って施設長の武田さん、「教えてよ!」と。一緒に始めたのが、”音楽療法”となりました。土曜日は老年看護学会開会のアトラクションで彼を中心としたこのホームのクラリネット”楽団”が演奏したのです。

また、2階の静かな居室に終日前からすっかり食べられなくなっている90歳の女性がいました。「ターミナルですね。今日もご家族がきますが、このままここで看取りたい」と。

このグループホームでは看取りもしてきていますが、「何よりも大切にしているのが、その人らしさ、いわば尊厳を守ることです。終末期もあまり医療処置に頼らなくとも看護でできることはたくさんある」と武田さんは言います。じょくそうも予防して、食も最後まで工夫して。

小さなエピソードですが、このグループホームの冷蔵庫にはいつも、大粒の甘い煮豆が用意されています。それってなに?北海道ではお年寄り世代でこの 煮豆が嫌いという人はあまりいないようで、どこの家庭でも食卓で、お茶うけで、ことこと煮た煮豆がよくたべられていたとか。私も一口いただきましたが、甘 くほっとするようなお袋の味に、メモリーが呼び覚まされるようでした。

この煮豆、食欲のなくなった認知症の高齢者の食をそそるきっかけにもなるので、すぐ食べさせられるよういつも冷蔵庫に用意しておくのだそうです。そんな看護の気づきと介護で、胃ろうや鼻からのチューブ栄養に頼らなくとも食の回復につながるのだそうです。

しかし介護報酬のグループホームの包括点数では、このような優れたケアをしても、そんなことにも気づかずによしんば劣悪なケアで終わっていても、報酬は同じ金額なのですね。

もう一人の先輩がやっているグループホームでは、仲間の看護師を4人もスタッフに雇用していて、ここも医療ニーズがあっても看取りまでしっかりケアしていますが、そんな職種への加算はないのが現状なのです。

介護保険制度の改革では、ケアの質をどう向上させ、QOLの高いケアを国民に提供するのか、この視点からも精査が必要でしょう。

ところで、私たちがお声をかけてもむっつり不機嫌な顔をしていたある認知症のおばあさん、わたしの後ろに立っている秘書のK君をみたとたん、不機嫌 顔が途端にニッコリ!素敵な笑顔で「おやあーまあー」と視線を向けっぱなし!ほかのおばあさんたちにもモテモテのK君,ヤングボーイの面目躍如でした。

Comments Off
ログイン