[TPPを考える国民会議]の訪米調査団報告から見える日米のギャップ!

2013年05月10日 12:06

5月9日午後、衆議院議員会館でTPPを考える国民会議の訪米団報告会。4月末の訪米調査と議員外交で分かったのは、アメリカ側のTPP交渉に対するこれまでと変わらぬ強固な態度など、大変興味深い報告がされました。

国民会議の原中勝征代表、山田正彦、首藤信彦、福島伸享の各前衆議院議員、舟山康江参議院議員が報告。

USTRのカトラー代表補、上院の財政委員長、外交委員長はじめ12名の議員、下院の歳入委員長はじめ8人の議員事務所。労働団体、全米自動車評議会、農民連盟、アメリカ全中、NGOのパブリックシチズンなど訪問、意見交換された。また上院財政委員会のTPPに関する公聴会の傍聴や日米メデイアヘのブリーフイングも、と精力的な活動が報告されました。

写真はワシントンポスト紙の4月25日の記事掲載ですが、安倍総理訪米時でも同紙は小さな報じ方だったのに比べ、今回のロビー活動を大きな記事で扱っています。「rice Lobby」という見出しはちょっとですが。

①【日本のTPP交渉参加に対する日米の認識のギャップ】

今回の日本の参加表明は、農業分野において日本が「全国民的理解のもとで」市場開放を決断したものと受け止められていたという。つまり「農業は日米交渉の対象ではない」と受けとめられている。また与党自民党の6項目堅持要求や衆参両院の農林水産委員会での重要5品目の関税撤廃の除外を求める決議など誰も知らなかった。英訳の文書を手渡したところUSTRに確かめなければと、携帯を手にする議員もいたという。

②【「センシテイビテイ」の取り扱い:関税撤廃の例外はコメも含め一切認められない】

USTRのカトラー代表補からは「センシテイビテイの取り扱いで、関税撤廃の例外はコメを含めて一切認められない」という答えを引き出している。これは1年前のワシントンで私たちが会った時と同じ、何も変わっていないということだ。

「各国ともセンシテイビテイ品目はあるが、関税撤廃の例外にするということではない。その扱いは長期間の段階的撤廃やセーフガードの設定が考えられる」。「日本も含めTPP交渉参加国は、包括的で高い水準の協定に取り組むことをコミットしているということだ」と突き放したという。USTRは一言一句変わっていない!

【TPPに関税撤廃の例外なし】は米国政府・議会双方の共通認識であり、日本が日米協定の中で「高い水準の貿易協定」に合意したことがそれを裏付けていると解されている。

③【強固な自動車業界】

「日本の参加は頑固反対、日本抜きで進めたい」というのが本音。日米事前協議で日本が大幅譲歩したにもかかわらず強固な市政で不満を表明していたという。「TPPは既参加国だけでまとめるべきで、日本の参加には反対だ。USTRに交渉条件について意見を言うことすら生産的でない。」と。

特に注目したいのは自動車の輸出のみならず、米国の中小企業の「自動車部品の日本への輸出」を考えていることだ。サプライチェーンを確保したいと。これが本音なら日本の業界にとって大きな打撃になる。これは新しい”ニュース”だ。

④【TPA(貿易促進権限法)の問題はオバマの正念場】

日本の一部には、米国のTPA(大統領の貿易促進権限)が失効していることをもってオバマ大統領にTPPの交渉権限がない、だから交渉は進展しないという主張する論調があり、米議会でもNGOでの同様の主張があるが、TPAの存在の有無にかかわらず大統領には交渉を開始する権限はあり、TPAの有無は最終的に合意された協定案の議会での諾否や修正を加えることが出来るかどうかの問題にかかってくる。TPP推進派の議員にとっては民主党、共和党問わず超党派でTPAを可能な限り速やかに大統領に付与しようという機運もある(協定調印を10月とすれば6月にはTPAを議会に提起したいという意見)。慎重派の上下両院議員はTPAがないことを交渉での安易な妥協をさせない取引材料にしようとしているようにも見受けられたという。いずれにしろ、この問題は今年後半の大統領対議会の権力争いのタマとなり、政局化は避けられないだろうが、日本にとってはTPAがないというハンデイが、オバマ大統領なり米国政府が我が国に強硬な主張を押し通し、日本から大幅譲歩を勝ち取って議会交渉を有利に進めるための材料になっている可能性がある。という。

⑤ 日本国内で議論されているTPP交渉参加への多くの懸念点が、米国ではほとんど知られていない。

むしろ「日本が自由化を求めてきた」と認識している米国。「日本がどうしても参加したいと言ってきたから入れてやった」「自動車・保険分野では日本がこれまでの態度を反省し、自ら障壁を下げたいというので認めてやった」という程度の認識だという。このギャップ。

「米国は自動車ですら関税撤廃をするのだから、日本もコメを含めすべての品目で関税撤廃をせよ、さらに長年米国が主張してきた非関税障壁もすべて撤廃せよ」と迫ってくると予測される。米国が自動車関税の撤廃というカードを先に切っている以上、コメの関税撤廃の例外を求めることは互恵関係上極めて難しい。ましてや小麦、牛肉、豚肉、乳製品などの関税維持は最初から交渉のテーマとすらなっておらず、可能性がないと考えざるを得ないと報告されました。

 

以上、昨日の報告会での資料および、口頭報告からその一部を皆様と共有すべくアップした次第です。

TPPを考える国民会議では5月末にまた国際シンポや反対集会を開催するなど、今後も活動に拍車をかけることになっていますので、国民会議のHP等で情報収集をぜひ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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