「最悪レベル」の特定秘密保護法と知る権利=モートン・ハルペリン氏講演から学ぶ

2014年05月10日 12:23

ハルぺリン氏2ハルぺリン氏5月8日、国会内で、米国の安全保障の専門家・政治学者モートン・ハルぺリン氏の講演会に参加。氏はジョンソン・ニクソン・クリントンの各政権内で、大統領特別顧問や国防次官補などの立場で、国防、安全保障の仕事をしてきた。特にニクソン政権ではキッシンジャーの腹心として沖縄密約に係るなど、長く米政権で機密を扱ってきた重鎮でもある(沖縄密約で、二元外交の密使となった若泉氏とも会っている)。また【ツワネ原則】策定に係った立場から、先の国会で強行採決された特別秘密保護法には、「21世紀に民主国家で検討されたもので最悪のレベル」と断じている。国家の秘密保護と、国民の知る権利=この両者のバランスの「ベストプラクテイス」をまとめたのが【ツワネ原則】という国際指針。この指針の策定チームの一人でもある。目からうろこのような講演!

「安倍政権は法整備に米国から強い圧力があったというが、これまで日本に法がないからと言って障害はなにもなかった。秘密保護法を創れと誰も口にしなかった。法がないから協議できないとも誰も言わなかった」と、日米間で秘密交渉にあたった立場から言う。

【ツワネ原則】は、2013年6月12日、南アフリカの首都ツワネで公表された立法者に対するガイドラインであるが、国連、アフリカ委員会、米国、欧州の安全保障機構等の盛会70か国の500人以上の専門家により作成されたもの。ハルぺリン氏はこれを呼びかけたOpen Society Justice Initiative 上級研究員としてかかわった。

日本は【自由権規約】も締結しており、自由権規約19条には表現の自由、知る権利の保障が規定されている。国家の安全のための自由の制限は厳格に必要な場合に限定される。

この両者に照らしても秘密保護法は、議論のプロセスが拙速すぎたという。たとえば米国でCIAの職員の身元をどこまで暴くか?といった法案の議論に3年もかけていると。南アフリカですら(?)、ツワネ原則をもとに、2-3年かけて議論し、修正をかけるように民主的な手続きをふんだ。

また、法は【ツワネ原則】違反のような内容でもあると。●政府の不正を秘密にしてはならないことや、●内部告発者の保護、●秘密指定に当たり公共の議論の要件がない、●秘密指定をするときには、その秘密がもれたらどんな影響があるのか国民に明確に示すこと、●秘密の解除も明確に基準がある(~30年)●破棄は犯罪であること、など指摘した。

聞けば聞くほど、秘密保護法の問題点が浮き彫りにされ、「機密は増やすのではなく、減らしていくべきで日本は時代に逆行している」という指摘は、今の安倍政権の体質を良くあらわしている。

さて、”国家の安全保障と関連する機密は重要である”ことは,誰に異論はないだろう。しかし、国民の支持があってこその安全保障であり、それが民主国家ではないか?国民が蚊帳の外に置かれていては、安全保障も何もない。明日の暮らしがどうなるか?その国民の不安の解消につながる、国家の安全保障といのちの安全保障が政治の役割・責任でもある。

ハルぺリン氏の講演からも、特別秘密保護法の廃案に向けた国会議員と市民の連携活動がますます重要になっていると思う。

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