ベトナム視察報告集

2014年06月18日 11:16

写真保健省ベトナム看護協会アセアン短大実習生研修生日本語研修センターカップル5月25日から6月1日、ベトナムに医療と雇用視察に行ってまいりました。前回ベトナムに行ったのは10年くらい前ですから、その発展ぶりには目を見張るものがありました。

それにしてもベトナムは若い国です。街にあふれるバイクに山のようになった子供連れも、バス停で待つ長い列も若者ばかり!いまさらながらに、日本が超高齢社会だとしみじみ実感させられます。

8900万人の国民ですが、年齢構成はちょうちん型。ベトナム戦争後のベビーブームに次いで第二次ベビーブーム中。休日の街にはあちこちで結婚式前のカップルの記念撮影や、お腹の大きな女性が目につく。また商店街にもマタニテイ専門街がにぎわっていたり、スーパーにはベビー用の紙おむつがあふれ(日本製は人気)、我が国ではお目にかかれない光景ばかり!

さて、日本とベトナムのEPAによる看護師介護士の入国や建設や農林水産業での「実習生」も来ていることから、医療と雇用視察をした。

医療では、ベトナム一の2000ベッドの高機能病院=国立バクマイ病院やハノイ大学大学付属病院、歯学部、陸軍病院など視察。医療のレベルはまだまだ課題があるし、医療保険も健康保険が2008年にスタートしたばかりで国民の7割がようやくカバーされている状況。6歳未満の子どもは100%,国が負担するので無料。年金生活者・困窮者・少数民族地域の住民は5%の負担、その他の国民は2割の負担となっている。ハノイの国立バクマイ病院の評判を市民に聞くと「あそこには入りたくない」という。なぜかと聞くと「1つのベッドに2人が寝かされる」「医師も看護師も患者をいじめる」など不思議な意見が出る。実際に病院へ視察に行くと1ベッドに複数の患者が!外来では廊下の床に寝かされて点滴をしている患者さんもいたのでちょっと驚く。CTやMRIなど最新設備の高機能病院と言っても日本の感覚とは違う。病床数が圧倒的に不足していていて、これは日常的な光景とか。

一方で、健康保険証には、「登録病院」が記載され、そこに行かなくては保険証は使えない仕組み(ゲートキーパー?)なので、普通の市民は自由診療で最初から別の病院を選ぶことも多いという。また国立医科大の病院や私立病院では治療費は高いものの欧米並みに充実、高い水準で、外国人も呼び込もうと「国際科」を設置したりもしている。

医師や看護師も不足しており、ベトナム看護協会を表敬訪問した折、保健省の看護課のトップだった常勤の副会長さんが、人材養成とステータス、社会的イメージを変えることが重要ミッションと語っていた。2012年から新しい看護師登録システムが始まり、教育もASEANによるミニマムスタンダードを取り入れたが、教員や設備、教科書など他国に比べ、まだ低い状況を何とか脱したいと語っていた。

看護師養成大学を視察したが、実習室の設備など、今の日本の看護大学の水準からすれば、20年30年前の状況を想起させるもので、何とか支援の手も伸ばしたいと切実に思った次第。

さて、雇用の問題であるが、政府の高官によれば目下のベトナムの課題は、若者150万人の雇用創出だという。徴兵18か月が終わった除隊軍人は毎年8万人。除隊軍人の若者の職業訓練と雇用先が重要課題。

ベトナム国防省の20号職業訓練短期大学では、自動車技術、船舶、電気工業、エアコン技術、電子工業、コンピューター、縫製、デザイン、パワーショベルなど多様な職業訓練と語学研修などが行われている。また日本語教育センターではハノイに100校くらいあるブームの日本語研修を視察した。

大手の人材派遣会社によると、2007年から日本に実習生を派遣しているというが、やはり遣先で多いのはドバイなど中東が人気とか。

若い国ベトナムであるが経済発展は目覚ましい。日本企業にはもっとベトナム進出で頑張ってほしいと思うが、一方で、専門技術移転や人材養成、教育等の交流や支援の充実はこれからも大いに求められていると実感した今回の視察でした。

 

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