TPP交渉合意のゆくえ;ケルシー教授を迎えて

2015年02月01日 11:46

TPPケルシー教授1月24日、ニュージーランドからワシントンのTPP主席交渉官会合に行く途中、東京に降り立ったケルシー教授と旧交を温めた。山田正彦元衆議のもと、弁護士の皆様をはじめとした「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」の設立総会が東京で開催され、会に先立ってケルシー教授が講演した。会場は土曜日の夕方にもかかわらず立ち見が出るほどの熱気の集会となった。 ケルシー教授はTPP交渉の現況について、次のように指摘する。まず2015年中にオバマ大統領はまとめたいと思っているので、今回の主席交渉官会合は重要になり、3月シンガポールでの閣僚会議、5月上旬には政府間で合意されるのではないかと観測する。特に日米の2国間交渉が鍵となる。そしてアメリカはどのようにコントロールしてくるか?一つは、「Fast Track」の問題。議会はオバマに交渉権を与えるだろうが、TPP妥結後、米議会でその妥結内容を書き換え、都合の良きものにすることもあるかもしれないと観測する。これは米韓FTAがそうだったという。また「認証事項」の問題。たとえば、これまでも、他国の新法づくりにアメリカ政府から人材を送り込み、ドラフトづくりをする”Help Draft Lows” をしたくらいの米国だから、日米間でも国内法、政策、プロセスが実現しないと契約しないと日本に義務を求めることも。 そしてアメリカの要求事項も、「USTRの障壁レポート」を見れば、87項目も日本が障壁を創っているとされている。特に農業、自動車、保険、為替操作などテーブルに上がってくるだろうと。特に為替操作の問題はアベノミクスに大きく影響するだろうと。 今週に入って豚肉やコメに関する日米交渉が報じられている、コメの関税撤廃をアメリカから要求され、日本は拒否したというが、現在もミニマムアクセス米を年間77万トン、義務的に輸入している。今回はこれと別に「米国産の主食用米に特別輸入枠をつくる」ことを検討していると報じられている。昨年来の米価下落で農家の打撃は大きく、これが受け入れられるか?コメについてはベトナムなど輸出国もあるから、日米2国間だけとはいかない。 TPPもいよいよ正念場に入っている。これからもしっかり注視していきたい。

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