平成27年4月からの介護報酬改定は全体で-2,27%,これで介護サービスは充実するか?

2015年02月06日 17:26

2月6日午前、厚労省の介護給付費分科会で介護報酬改定が答申され、公表されました。分科会ではマイナス改定に多々、意見が出たと聞く。当然であろう。前2回のプラス改定で一息ついた介護現場だが、1昨年あたりから介護人材の応募のなさは波が引くように見事で、いくら広告しても1件も問い合わせがないとか、派遣会社に多額の経費を払って基準のスタッフ数の帳尻をようやく合わせているということも聞く。有効求人倍率が10倍を超えたのが首都圏でもある。いずれにしろ「人が来ない!」との悲鳴は全国から聞こえてくる。

そんな中、今回の改定は-2,27%。在宅で-1,42%,施設で-0.85%というが、施設・在宅の殆どのサービスで基本サービス費を-4,48%さげ,加算で拡充をしたが、加算がとれるところは相殺されるが、【実質-4,48%のマイナス改定】と言った方が現場感があるだろう。特養では5%ものマイナス改定となった。介護離職や在宅での老々介護の破たん、認知症高齢者の急増、病院の機能再編で早期退院が促進し、介護現場に重度な方があふれることや、地域包括ケアもいよいよこれからという時に、時流に逆行するような、今回のマイナス改定はなんとしても許しがたい。事業者、従事者の皆様の困惑したお顔が浮かんでくるが、私には当の高齢者と家族がエンドユーザーとして、本来の、良質なケアを受けられなくなるのでは?と心配になる。

訪問看護、小規模多機能、複合型(看護小規模多機能介護と改正)、定期巡回などはわずかのプラス改定、訪問介護は減収、グループホームも減収、通所介護と特養は大幅減収になる。

今回改正のポイントは次の3点で、

1)中重度な要介護者・認知症高齢者への対応のさらなる強化=①地域包括ケア(定期巡回等のサービス促進)、②リハビリに「活動」と「参加」の概念を、③看取りへの対応(各サービスでの看取り加算)、④口腔・栄養管理(口腔衛生という言葉に変えた)。

2)介護人材確保の促進

3)サービス評価の適正化と効率的なサービス提供

とされているので、重度者対応の改定と言える。すると軽度の人はどうなる?事業者が重い人ばかりにサービス提供すれば、軽度な人はどこでケアを受けられるのか?難しい課題も生じる。

サービスごとに見ていくと

【認知症ケアのグループホーム】は2ユニットから3ユニットまでoKとなり、夜間支援体制の加算で少しは潤うが、全体には減収?また広域型特養と老人保健施設では同一建物に併設できることになったが、これってなんなのかしらと思いませんか?

【訪問看護】は病院診療所からの「みなし訪問看護」が単位が上がったが、7対1を返上して看護師に余裕ができたのなら、病院の隣にステーションを併設して、訪問看護を有効活用していただきたい。そもそも訪問看護の成り立ちは病院からの訪問だったが、病棟勤務や外来勤務の片手間ではできないということで、管理者を置き、専任の看護師で行う訪問看護ステーションを創設した歴史がある。

【訪問介護】身体介護と生活支援だが、20分未満の身体介護で約4%の減点、これは厳しい?

【訪問リハビリ】訪問リハビリの単位を統一したが。「活動と参加」という新しい概念で進めることにした。デンマークでも「リハビリ前置主義」ともいうべき、ヘルパーの料理をつくる援助の前にPT・OTが本人の機能に見合ったリハと一緒に行動することにしている。訪問介護にも工夫が必要になるということ。

【特養】5%の減収に。これは例の内部留保金の扱いが議論になった。現場としては各施設がどのように対応するか?また多床室は室料・居住費がかかることになる。在宅・入所相互利用加算は「増額、同一部屋でなくともよい」となった。同一部屋などという変な縛りがあったのでは利用が伸びない。ようやく要件緩和。

【療養型】は療養機能強化型として5つの要件が付き、存続することになった。医療機関としての地域での役割が問われる。

【介護職員処遇改善】については、「新設の加算」で一人あたり1万2千円相当となっているが、処遇改善のサービス別加算率を見ると、訪問介護で8,6%,定期巡回で8,6%、夜間対応で8、1%、特養/短期入所で5,9%とメリハリがついている。また「サービス提供体制強化加算」は「介護職員中の介護福祉士の比率」で配置割合が高い状況を評価する区分を創設したから、介護福祉士には頑張ってほしい。

【居宅介護支援】サービスのマネジメントをするケアマネジャ―の評価は、認知症加算と独居の加算がなくなり包括されたので報酬は下がったが、問題はケアプランということになるだろう。皆様には、改定をしっかりキャッチしていただいて、地域のサービス動向を把握していただきたい。

介護報酬改定を簡単に紹介したが、事業者の皆様には分析されて経営戦略を立てていただきたいと思う。また利用者の皆様にとっては、報酬引き下げは利用料が若干安くなるということになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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