どう変わる4月からの介護保険制度と医療提供体制。

2015年02月11日 12:29

低所得者用住宅ピーボデイトラストの。デイに来た高齢者とさて、2015年4月から介護保険制度が改正になり、大幅に引き下げられた介護報酬で事業所・施設からサービスが提供されます。平成18年以来の大改正となった介護保険ですが、具体的には何が変わるのか?主なものをまとめてみたいと思います。

まず、昨年の国会で成立した【医療介護総合確保法】を説明しておきましょう。これは医療介護に関連する19本もの法律を一括法案として上程したもので(これも前代未聞のやり方でしたが)、2025年の超高齢社会到来に備えるべく、地域包括ケアをはじめとした、医療や介護の大改革が進められ、次は2018年の診療報酬と介護報酬のダブル改定がゴールになるでしょう。

まず【医療の変化】は、①医療提供体制の改革として、病床の機能を<高度急性期・急性期・回復期・慢性期>と区分し、各病院は都道府県知事に届け出をすることになる。26年10月1日施行。(昨年の診療報酬改定で「地域包括ケア病棟」も誕生しています。)

②都道府県は<地域医療ビジョン>を策定する. (2025年の医療需要を数値化して二次医療圏ごとの必要量をだすもの)27年4月1日施行。

③新しく<基金>を都道府県に創設し、地域の医療や介護施設やサービスを充実させたり連携を強化する。27年度は、医療で900億円、介護で720億円が予算計上。(地域介護施設整備促進法等関連)

【介護保険の変化】

①予防給付は介護保険給付から外し、市町村の「地域支援事業(新しい総合事業)」に移行する。(29年度までに移行する。)

②特別養護老人ホーム入所は原則、要介護度3,4,5の人のみになる。(27年4月から)

③低所得者(非課税世帯)の保険料軽減を拡充(27年4月から)

④介護保険の利用料を、一定以上の収入のある人(280万円以上の人)は、今の1割から2割にする(27年8月1日から)

⑤施設入所の際は、預貯金を確認し、単身で1千万円、夫婦で2千万円超の場合は施設利用の食費居住費は自己負担になる(補足給付の見直し)(27年4月1日から)

⑥サービス付き高齢者住宅への住所地特例を適用する。(入居前の居住地の被保険者となる)

【医療法の改正、チーム医療の推進、看護師の特定行為の研修制度創設、医療事故調査の仕組みなどありますがここでは割愛します】

さて、変化の概要を見てきましたが、ポイントは、①すべての改革は2025年に向かっている。2018年の診療報酬と介護報酬の同時改定が鍵となってくる。(その政策にそった路線をとる)、②2025年に向けた政府の”本気度”は明確。「地域包括ケア」で高齢化の最後の急な坂を上るつもりでいる。③医療や介護の業界人は都道府県や市町村の計画にコミットした事業をしていく、同じベクトルを向かないと成功しない(?)④「医療ビッグデータ」の時代になってきた。病床機能の届け出やデータ提出加算など様々な報告制度。(介護保険ははじめからビッグデータが集計されている。)⑤今回の報酬改定は【中重度者】対応型になっているが、事業者にとっては「先行投資」の考え方も必要になる。介護予防や軽度者を打ち切れば、将来の顧客のすそ野は広くならない。また中重度対応ということは看護師や介護福祉士といった能力あるライセンス職の採用で質を高めることも重要になってくる。今回の報酬改定は、「箱物」から「人」につく改定であり、ある種「成功報酬的」なものもある.

さて、病院の早期退院で、重症者が在宅や施設に増加することを考えると、病院の退院支援や地域での医療と介護の連携が強化しないとこの仕組みはうまく動かない。また、医療・介護の人材確保は喫緊の課題! EPAに加えて外国人実習生などを介護分野にも、と導入がもくろまれているが、それだけではうまくいかないことはすでに諸外国で証明済みでもある。国内の労働市場での移転をどう考えるか、人材確保にはまだまだ知恵と方策が必要になる。

そして、「地域包括ケア」については、住み慣れた自分の家や住み慣れた地域で、年をとり、暮らし続けることができる 「Aging in Place 」の実現であり、地域づくり、コミュニテイづくりがゴールとされよう。その意味では「限界集落」や「人口減で消滅自治体」等の未来予測もあるが、医療と介護、そして教育は「社会共通資本」として、公共性を保つことを再確認しながら、医療介護が地場産業としても、地域の雇用と経済に大いに寄与することもまた認識して、制度改革を進めるべきではないかと考えている。

 

 

 

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