“TPPのISDS条項を認めるな”-ステイグリッツ氏、米議会議員に書簡。

2015年06月04日 10:25

TPP日経ビジネス日経ビジネスの最新号、「日本の医療を救え」特集。日野原先生と稲盛氏の対談にひかれて買ったのですが、なんとあのステイグリッツ氏が米議会の重鎮たちに送った”TPPのISDS条項の批判書簡”が載っている。ステイグリッツ氏はTPPのISDS条項こそ、どの国も認めてはならないと警鐘を鳴らしている。

TPPの問題点は、関税の撤廃や、農業対自動車などの貿易問題だけではなく、このISDSを含め、相手国の主権国家としての法制度に至るまで手を突っ込む”危険”を、私たちも当初から指摘してきた。

いまさらという感もないわけではないが、さすがステイグリッツ!この影響力あるノーベル賞受賞の経済学者が、米国議会の大物、上院院内総務のマコーネル議員(共和党)、おなじくリード議員(民主党)、ベイナー下院議長(共和党),ペロシ下院院内総務(民主党)に送った書簡の記事である。的を得た指摘なので紹介しておきたい。

まず、最近のFTAにみるような貿易協定の実態は「米国とEUの大企業の要望に沿って作られた【管理された貿易協定】である」と批判。TPP(Trans-Pacific  Partnership)の”Pertnership”も決して対等な協定などではないと指摘。

理由は明白でこれらの協定の内容は、貿易の枠を大きく超え、投資や知的財産権にまで踏み込み、相手国の立法から司法、規制当局のあり方に至るまで、根本的な変更を迫るものだからだと指摘。しかもその内容は国民に説明責任が果たされることもないと。最も不誠実なのは【ISDS条項=国家と投資家間の紛争解決】で、投資家の保護をさだめているものだが、米国がいれようとしているこのISDS条項の真の狙いは、人々の健康や環境、安全性を巡る規制だけでなく、米国の経済と市民を守ることを目的に作られた金融規制すら骨抜きにすることにあると警告。

問題はこうした協定の内容は、ほとんど公表されていない(しかし、ISDS推進派の企業は文案を知っている!)。問われているのは、金持ち企業が貿易協定の名に隠れた状況を利用して、21世紀の我々の生き方を決定するような事態を容認すべきかどうか、という問題である、と厳しく批判し、

「この問いにたいして、米国、欧州、そして太平洋地域の市民たちが大声で[ノー!]と唱えることを願うと、結んでいる。

米国内の世論も活発になってきているようだが、TPP交渉の情報公開についてはわが国も国会でしっかり追求して、国民の知る権利を確保してほしいと思う。

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