地方創生と、コミュニテイを守る医療と介護の役割/女性の活躍を!

2015年10月27日 10:13

医療経済フォーラムこのところ、地方再生をめぐっては、【ひと・まち・しごと創生法】の成立や、例の【増田レポート】により、人口減少で消滅市町村などの提起も発表され、地方の崩壊と再生が各所で議論になっています。とりわけ「地域包括ケアシステム」をこれから進めようとする医療・介護界をはじめ行政では、「地域包括ケアこそコミュニテイの再生」と自覚し前に進んでいるところでは、住民参加もようやく一歩、前に歩んでいる感もあります。また、地域経済にとっても、医療介護の「雇用誘発係数」は他産業に比べかなり高いことから期待も大きいが、一方でその業界の人材不足等ミスマッチも議論の的となっています。

私は衆議院議員現職の時、【地元北海道の179市町村の全市町村を回る】という目標を立て、広大な道内を回り、8割を超える市町村を訪問して首長さんはじめ地域の皆様と意見交換し、地域の課題や現状をつぶさに拝見してきた。人口3000人や5000人の町村では、病院の維持管理や医師看護師等の確保困難、特養等の施設ケアの限界や、一向に進まない在宅系のサービスなど課題は多く、また行政の力量と財源問題がそれらを困難にしている状況や医療整備計画が都会仕様で地方の実情に見合っていない現実も、国会で多々発言してきた。

集住とかコンパクトシテイといっても、第一次産業の地方の現場では、なかなか議論にならない中で、「医療や介護は住み続ける最後の砦」であることも現実で、超高齢化と人口減少の進む町村のソーシャルキャピタルとして、どうすれば「最後の1人まで見捨てない」というシステムができるのか、これこそ、政治のミッションであるが、そろそろ住民自身が自分たちの問題として自分たちも参加して地域を守るということがないと地域包括ケアシステム事態も難しいと実感もしてきた。

さて、都内で10月22日、「地方創生における医療介護の役割」と題したシンポが開催されたが、そこでの興味深い議論をご紹介しておきたい。

増田寛也さんも登壇したが、彼は、「地方消滅」または「消滅市町村」という未来の鍵を握るのは「若い女性」人口であり、女性労働の改善と雇用が少子化の一つの鍵とした。また超高齢化の最大の問題は東京等の首都圏で高齢者の4人に一人が独居となり、医療介護サービスの不足は著しく、東京と地方の介護費用を比べると2倍以上の差があり、他の要素も含めた結果、「高齢者は地方移住を」という提言に結論づけられ、「東京高齢化危機回避戦略」となる。

これには異論も多々あるが、興味深かったのは、千葉大の近藤克則教授の調査結果! 以前から近藤先生とは一緒に社会保障を勉強しているが、今回も面白い結果を発表されていた。

医療費・介護費抑制策として「健康長寿」「健康寿命の延伸」があげられているが、「社会参加と介護予防効果」は絶大で、地元で様々な社会参加や役割をとっている高齢者は「元気」であるという結果。それは当然なのだが、次が興味深い。

趣味やスポーツ、老人会、町内会、ボランテイア、業界団体、宗教関係、政治関係と【会への参加】の多い人は、「 転倒」や「うつ」「介護認定」等で大きな開きが観測されている。「転倒」では小学校区で3倍もの開き!「認知症」のリスクも3割から6割も開く。つまり地域づくりの結果によっては、「転倒の多い町」や「認知症になりやすい町」が出てくる? 政策のターゲットもこうしたエビデンスに基づくと面白くなりそう。

これらのデータは、まさに市町村行政が自分の「町の地域診断」をして、政策作りをした方が良いということを示している。住民の健康度の「ハイリスク戦略」だけではなく、「地域づくりによって介護予防も違ってくる」ので、政策転換を示してもいる。

ここで私は保健師の活躍に期待したい。さあ、保健師さん、出番ですよ!あなたたちの社会医学・疫学・保健看護学の専門性を活かして地域づくりを住民のみなさんとご一緒に!と。

最後にご紹介するのは、非常に興味深いデータで樋口恵子先生の示されたものだが、「増田レポート」で言われた「消滅市町村」と「そうでない市町村」における「女性議員数の比較」。

女性議員ゼロ議会は「消滅市町村」で29,2%,「そうでない市町村」で10,3%.トリプルスコアで格差は開いている!

地域創生はやはり女性の手にかかっている! 地域の住民の半分は女性なのだから、女性の登用と活躍で地域再生と、医療・介護・住民参加の地域包括ケアを進めたいと思うのは私だけだろうか? それに医療も介護も女性の多い業界なのですから。

 

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