フランスの「医療と介護」、「在宅入院」、「高齢者住宅」などの視察報告!

2015年11月25日 14:56

エッフェル塔老人センター全景市内の半旗奥田宅パーテイ HADの皆様と老人センターⅱABCd外観リビングのカレンダー11月15日から20日までフランスはパリに「高齢者住宅と在宅医療」の視察に出かけてまいりました。時まさしく、13日金曜日のパリ市内での同時多発テロ事件の直後とあって、主催者も中止を視野に詳細な情報収集と検討の結果、総合的に判断して、予定通り旅立つことに。15日夕刻シャルルドゴール空港に到着した時は、いつものようにスムーズな通関で逆に驚かされた。オレンド大統領は「これは戦争だ」と言いましたが、市民は普通の生活を継続することが「レジスタンス」と、カフェのテラス席でワインのグラスやコーヒーをいつものように!とツイッターなどで呼びかけてもいました。街には警備の数が多いけれど、翌16日の月曜日から学校も会社も地下鉄もバスも、もちろん病院や高齢者ケアの現場も、通常の生活のペースで週が明け、私たちの視察も予定通りにスムーズに全行程を遂行することができ、所期の目的を果たすことができました。これも視察先のアレンジ・同行・通訳をしてくれた奥田七峰子さん(日医総研フランス駐在員)のおかげと感謝するしだいです!また、ご参加の皆様にもご協力に感謝です。

さて、今回は「HAD 在宅入院」「高齢者住宅」「地域包括ケアの拠点となっている老人医療センターと在宅ケア」「開業看護師」などを視察しましたが、まず最初に奥田さんのレクで最近のフランスの医療制度と介護手当、新たなMAIAマイア;地域包括ケアシステム等を確認。

フランスの【医療制度】では、2005年から全国民がかかりつけ医に登録。ゲートキーパーのかかりつけ医を通して、病院入院や在宅医療を受けられる仕組み。医療保険は皆保険の社会保険と、共済や民間保険に加入の2階建てとなっており、ほぼ自己負担は無料で医療が受けられる。全国民が【VITAL CARD】を持っていてこれが保険証の役割の果たす。一方、介護は、介護保険はないが、【介護手当】が2014年からスタート。要介護度は5段階になっており、GIR(要介護度)1の最重度で1312ユーロ(約17万7000円),GIR4で562ユーロの給付、GIR5は現物サービスのみとなっている。医療は疾病金庫から、介護はCASA全国自立連帯金庫から支払われるしくみ。

ニホン流にいう地域包括ケアシステムは、2011年から【MAIA自立分野における医療と介護の統合活動メソッド】がトライアルを経てスタート。それまで利用者に分かりにくく複雑だった医療と介護のしくみをシンプル化。既存の医療と介護(病院・施設・クリニック・在宅サービス等各種事業者)の連携、支払者(医療保険・介護手当)の窓口一本化をし、利用者の混乱を整理した。また新たに【ケアマネジジャーgestion de Cas】を誕生させ。MAIAに2―3名配置。現在全国に250カ所(パリ市内は5か所)が活動している。

【在宅入院Hospitalisation a Domocole】。私は2005年からこのフランス独特の在宅入院という高度急性期訪問看護の仕組みを視察し、訪問同行し、論考やレポートでわりに早くから日本に紹介してきた。前回は2010年衆議院の現職の時に視察。この時もパリの市内のアパルトマンを訪問看護師とともに訪問。日本の訪問看護の光景と同様、利用者に感謝される姿を見てきた。違いと言えばがんの化学療法や生々しい創傷のケアで、高度急性期というだけあるなあとその時も実感しましたが。

また変化しているHADですが、現在は全国に311のHAD。131が民間非営利、128が公立病院・公立病院協会、52が民間営利で規模も500人、1200人から50人と地域で様々。入院日数が5-6日と短い病院から退院直後のがんの患者が三分の一を占め化学療法など、また日帰りのお産後のケア、複雑な創傷ケア(四分の一)、人工栄養(腸ろう、経管栄養、ペグはない),ターミナルケア等で重度で急性期な訪問看護を提供。30日がすぎれば普通のSSIAD在宅訪問看護介護事業所に回す。HADが雇用している看護師に加えて開業の看護師、PT/OT/助産師等に業務を委託してケアをしている。

HADの民間最大大手のサンテサービス社長でHAD業界の副会長のカルモン氏に今後の展望を聞くと「いま5か年計画で、2018までに倍増計画を政府が打ち出している。今後も発展するが、HADの仕事と在宅で医療を受けるメリットについて、国民や医療者=病院のドクター、かかりつけ医、開業医の理解を得ること,相互に理解を深めることが重要」と。また「人口5000人くらいだとHADは不要、既存のかかりつけ医や開業看護師で良い。5万人くらいでもネットワークやモバイルチームでOk。25万人から100万人の規模のエリアでHADの存在が光る。顧客数を獲得できる」と。これは日本の機能強化型訪問看護ステーションにも言えることかもしれないが。

さて、一夕、奥田宅で、病院ドクターのヘレンさんや老人医療センターの院長マリーアンさん、開業の日本人心理士高須さん(北海道出身)たちと語りましたが、フランスの女性は強い。活躍している!マリーアンさんは3人の子どもを育てながら、ダイレクターとしてパリ行政の政策にもコミット、新しい地域包括ケアシステムを動かしている。ポリテイカルにもパリテの国は先進的ですねえ。ちなみに今の環境大臣ロワイヤルさんはオランドさんの元妻で5人の子どもあり、サルコジ時代の経済大臣も5人の母だったとか。女性議員を増やすことで社会が変わると心から実感!

さて、高齢者住宅や老人医療センター(複合施設)については、次回、またブログにアップしましょう。

 

 

 

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