フランスの「在宅入院」という名の在宅医療・訪問看護

2010年08月23日 15:39

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フランスはパリで「在宅入院」を調査・視察。久しぶりの調査ですが、なかなか魅力的でありました。フランスの医療制度、介護制度は国営医療です。一応病院にかかれば3-4割の患者負担という仕組みではありますが、いろいろな給付があり、実際には病院にかかっても無料となります。北欧と違ってなかなか見るべきものがあり、ここ数年ウオッチしているのです。

今回はバカンス中ということもあり、まったく政府や行政の役人も、会社や事業所も、レストランも、パリは空っぽ!という季節。

パリ市立病院協会の「在宅入院」の視察となりました。しかし成果は大きく、私が専門職議員ということもあって、先方がその在宅入院の事業所も案内、スタッフとのヒヤリングの時間や、また市内の高齢者の実際のケアにも訪問看護師(男性)同行させていただけました。国会議員でここまでする人はなかなかいませんよ!とは大使館の方。1日,ご一緒したのは2か月前に厚生労働省から出向した津曲さん。「先生のお陰で私も実際の現場を見ることができ、勉強になりました」と。

その名も文字通り,在宅医療と訪問看護を【在宅入院Hospitalisation a Domicile 略してHAD 】と呼んでいます。24時間病院に入院しているのと同じ治療や看護ケアが家で受けられるもの。ですからHADの事業所は病院のナースステーション同様、消毒された治療材料や薬剤、注射薬、さまざまな処置に必要な道具がそろっている。スタッフで重要なのはこうしたロジステック担当も。

フランスも入院日数が短く、退院後の治療や看護を家で受けるというもの。地域医療計画に則って推進され、診療報酬も在宅版で医療処置や看護が医療保険から支払われます。全国に270箇所のHADが整備、全県がカバーされています。パリのような大都市では大型の患者が700-800人のところから田舎では20-30人のところも。

視察したパリの市立病院HADのように担当患者800人/日に、250人の常勤看護師をはじめ、全スタッフ650人超を擁するところから、常勤スタッフはマネジャーのみで地域の開業看護師と連携して患者訪問をするところまでさまざま。

患者さんではがん患者の化学療法を家で行ったり緩和ケアが一番多く、次いで複雑な創傷ケア、そして妊産婦ケアとなっています。お産も24-36時間で退院ですので即助産師か訪問看護師がケアに行く。ベビーもヘルパーさんもいるので、産後ケアは手厚い。わが国の虐待児のことを考えるとこうした訪問ケアは必須!

「がんの化学療法を家でー」というと、考えられないという日本のドクターもいるようだが、すでにその時代になっている。

フランスは医師以外にも看護師・理学療法士などセラピスト、薬剤師などが「開業権」を持っているので、在宅入院も、患者へは医師の「指示」ではなく、「処方箋」というのが面白い。在宅の看護行為にもひとつひとつ日本の診療報酬のように値段が付いている。

HADは歴史もあり、今後も全国に在宅医療推進の方向だが、課題もないわけではない。すでに医師の開業はフルになっている地区もあり、競争があったり、開業規制もある一方、田舎では人材不足など、偏在も課題であると言われている。

わが国は在宅医療・訪問看護はまだ発展途上。各専門職が自立的に地域でチームケアができるよう制度整備は大きな課題。フランスに学ぶものも大いにあるのです!

詳細はまた原稿にしましょう。

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